3. 互いのニーズを理解している
ここで、カップルの片方が自分のニーズが満たされていないと感じている状況を考えてみよう。一方はもっと充実した時間を過ごしたいと思っているが、もう一方は仕事にかかりきりになっている。
1つのパターンでは、この問題が「受動的攻撃的」な形で表れる。「いつも忙しいね。どうやら私は優先順位が低いみたいだ」と言う。そこに込められた感情は本物だが、その発言は「洞察」というより「批判」として受け取られる。その結果、言われた側は即座に防御的になりやすい。批判が自分の満たされていないニーズではなく、相手の欠点に向けられているからだ。
建設的なパターンでは、相手の行動や性格ではなく自分のニーズを軸にして懸念を伝える。「最近一緒に過ごせなくて寂しい。つながりを感じるために、もう少し意識的に2人で過ごす時間が必要だと思う」と言う。こう伝えれば、相手を悪者のように感じさせる曖昧な不満ではなく、具体的に応じられるものを相手に提示できる。
違いは、最初のパターンでは依存的だと思われたり、要求の多い人だと思われたりすることを恐れてか自分のニーズを意図的に曖昧にしているのに対し、もう1つのパターンでは意図的かつ率直にそのニーズをさらけ出している点にある。
学術誌『Current Opinion in Psychology』に2023年に掲載された研究が示しているように、対立の最中に双方が相手のニーズに配慮する姿勢を示せば、対立は実際に関係を強めることがある。ただし研究の著者らは、この配慮の姿勢が生まれるには、双方が相手の表現していることを特定し、それを伝え、応じる意思と能力を持っていなければならないと指摘している。
適切に対処すれば対立はパートナーの内面を知る絶好の機会の1つとなる。何を大切にしているのか、何に敏感なのか、そして何があればより安心できるのかが浮き彫りになる。同時に対立は自己省察も促す。それぞれが自分の行動パターンや引き金となるもの、相手への期待について考えるきっかけを得る。
やがてカップルは可能な限り深いレベルで互いを知ることができるようになる。そして互いの内面を理解することが最終的にパートナーシップを長期にわたって支える。


