AI

2026.08.19 07:00

個人投資家が売り出し株数の8000倍超を注文、人型ロボ「Unitree」が8月19日に上海IPO

Rafael Henrique - stock.adobe.com

Rafael Henrique - stock.adobe.com

上海の個人投資家は、ユニツリー・ロボティクス(宇樹科技)の新規株式公開(IPO)に、売り出し株数の8000倍を超える申し込みを入れた。上海証券取引所が運営するハイテク企業向け市場、科創板(スターマーケット)では過去最高の倍率だ。暗号資産デリバティブを扱う取引所ハイパーリキッドでは、未上場企業を対象にした先物に、初日の株価が4倍になる水準で値がついている。これだけの熱狂が向かった先は、約90億ドル(約1兆4310億円)で値決めされた企業である。取引は現地時間8月19日に上海で始まり、世界最大級の人型ロボット(ヒューマノイド)メーカーが、中国本土の取引所に上場する同種企業の第1号となる。熱狂の声は大きい。だが、意味を持つのは価格だ。そしてその価格は、人型ロボット産業がまだ立ち上がりの規模にとどまると告げている。

上場前に企業価値は約5割上昇、DeepSeekも株式を確保

ユニツリーは新株4044万6434株を1株150.80元(約3468円)で売り出した。これは発行後の総株式数に対して1割にあたる。調達額は60億9900万元(約1403億円)で、上場時の時価総額は609億9300万元(約1兆4028億円)となる。7月時点の発行計画から逆算される企業価値は約59億ドル(約9381億円)だった。1株も売買されないうちに、機関投資家の申告がその数字を約5割押し上げたことになる。

戦略的な割り当てを受けた顔ぶれは、エンボディドAI(embodied AI)に近づきたい勢力の見取り図に見える。AIモデルを開発するDeepSeek、テンセント傘下の上海チーシャン投資(上海啓善投資)、国有石油大手が抱えるクンルン・キャピタル(昆侖資本)が、それぞれ配分を受けた。最先端モデルを手がける研究開発企業が、IPOでロボットメーカーの株を取りにいく。この一点だけでも、中国のAIマネーが次なるプラットフォームをどこに見ているかを示す小さな信号になる。

次ページ > 人型ロボット1万8000台を生産、量産と黒字を両立

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事