初日の株価は熱狂を映すだけ、価値は後から決まる
上場初日に決まることは、当面ほとんどない。8000倍という申し込み倍率と、4倍を織り込んだデリバティブの賭けが描き出すのは、派手な初値をつける準備が整った市場だ。政策の後押しを受けたIPOで最初につく値は、価値ではなく興奮の大きさを測っている。
残った倍率が、中国150社超を測る物差しへ
持続する数字が現れるのは、その後だ。熱が引き、落ち着いた評価倍率だけが残ったときに、その数字は姿を見せる。その倍率は、人型ロボットを手がける中国企業150社超が測られる基準になる。次に出てくるロボット企業の目論見書も、その値と並べて自らを正当化しなければならない。
テスラ株に潜む「オプティマス」への期待に、値踏みの基準ができる
同じ倍率は、テスラにも当てはまる。テスラの株価には、まだ生産に入っていないオプティマスが将来生む価値が織り込まれており、その見込みが妥当かどうかは、上場後のユニツリーにつく倍率と突き合わせて初めて検算できる。テスラが当面語っているのはロボタクシーであり、人型ロボットの生産はまだ始まっていない。Figure AIは非公開のままで、赤字が続くユービーテックを除けば、この業界に上場企業は存在しない。そのため現在、公開市場がこの業界をどう評価しているかは、杭州のユニツリーにつく株価が示すことになる。
初値がどう振れても、エヌビディアは取り分を得る
人型ロボットの頭脳にあたる演算処理と、実機の前段階でおこなう学習は、エヌビディアの製品に依存している。初値が高く始まっても低く始まっても、機体はエヌビディア製のロボット向け半導体で動き、エヌビディアが用意するシミュレーターで学習する。知能を担う層は、どの結末からも取り分を得る。
上場初日の急騰は、上海がロボットをどう感じているかを語る。1カ月を生き延びた評価倍率が、ロボットにどれだけの価値があるかを語り始める。


