AI

2026.08.19 07:00

個人投資家が売り出し株数の8000倍超を注文、人型ロボ「Unitree」が8月19日に上海IPO

Rafael Henrique - stock.adobe.com

人型ロボット1万8000台を生産、量産と黒字を両立

熱狂の対象となったユニツリーは、人型ロボットメーカーとしては例外的に、利益を出している。目論見書によれば、2025年12月期の売上高は16億9900万元(約391億円)で、売上総利益率は60%近く、純利益率は10%台半ばだ。ユニツリーは7月までに複数の機種を合わせて約1万8000台の人型ロボットを生産・出荷したと、ロイターは伝えている。この台数は世界で最も多い。上場を前にした8月17日には、開発期間わずか3カ月あまりで仕上げた新型機「スーパーマン(Superman)」も公開した。その場から2メートル跳び上がり、最高速度は毎秒12.66メートルに達する。機体は試作品ではなく、量産されて出荷され、利益を生んでいる。同じ業種で、そこまで到達している企業はほぼない。

advertisement

時価総額は売上高36倍、それでも割安な側にいる

売上高に時価総額を重ねると、数字の食い違いが見えてくる。609億9300万元(約1兆4028億円)という時価総額は、2025年12月期の売上高に対して約36倍にあたる。それでもユニツリーは、人型ロボットへの投資対象としては依然として安い側にある。

「赤字」Figure AIが、「量産・黒字」ユニツリーを約4.8兆円上回る評価額

ユニツリーを「安い側」と判断する根拠は、米国にある。企業価値が最も高い人型ロボット新興企業のFigure AIは、2025年9月に390億ドル(約6兆2010億円)という評価額で資金を調達した。この評価額を決めたのは、増資に応じた投資家との交渉だけだ。Figure AIはさらに、社員や初期投資家が持ち株を第三者へ譲渡するセカンダリー取引を厳しく制限している。未上場企業では、そこでついた値が唯一の外部価格になる。そのため、390億ドル(約6兆2010億円)が妥当かどうかを、外から示す値段はどこにもない。香港市場にすでに上場している唯一の人型ロボットメーカー、ユービーテック・ロボティクス(優必選科技)は、ユニツリーと同程度の規模でロボットを納入しながら、年に約7億元(約161億円)の赤字を出している

8月19日から、人型ロボット投資の中心には、生きた数字が置かれる。利益を出しながら量産で首位に立つユニツリーに、90億ドル(約1兆4310億円)という値がつく。その値は、持ち株をいつでも手放せる投資家によって毎日つけ直される。

advertisement

非公開なら投資家だけ、上場後は全員を納得させる

ユニツリーの90億ドル(約1兆4310億円)と、Figure AIが申告する390億ドル(約6兆2010億円)は、これで直接比べられるようになった。差は約300億ドル(約4兆7700億円)に達する。Figure AIの出荷台数はユニツリーのごく一部にとどまり、利益は出ていない。非公開の評価額は、そのラウンドに参加した投資家さえ納得すれば成立する。上場後の株価は、売買に加わる全員を納得させなければ維持できない。これで、世界にあるあらゆる人型ロボット企業の評価額は、非公開で決まった値も他社から逆算された値も、毎日値がつき検証される比較対象と並んで存在するしかなくなった。

次ページ > 初日の株価は熱狂を映すだけ、価値は後から決まる

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事