AI

2026.08.26 10:00

米中のAI格差が「消滅」する理由、エヌビディア頼みの米国に迫る影

Koshiro K - stock.adobe.com

モデル:なぜ中国はオープンウェイトを選択したのか、そしてなぜそれが正しい賭けだったのか

ChatGPTがリリースされた当時、グーグル、Anthropic、xAIなど、資金の潤沢な世界の主要な研究所の大半は、OpenAIがすでに証明したのと同じプレイブック(戦略)を採用した。すなわち、最高のプロプライエタリ(クローズド)モデルを構築し、能力の高さだけで勝負するという戦略だ。中国はこれと同じスタートラインに立ち、異なる計算をした。中国の研究所は、計算資源の規模や先行者利益という点で、米国のAI研究所が優位に立つクローズドなフロンティア競争において遅れをとっていたからだ。

advertisement

そのような意思決定が単一の会議で行われたかどうかは別として、現れたパターンを見ると、中国はオープンウェイト化それ自体を競争戦略に据えたようである。もしクローズドな競争において、後発の立場から勝つことができないのであれば、競争のルール自体を変えることで勝機を見出すことができる。最先端レベルのモデルウェイトを無償公開することは、クローズドモデルを開発する研究所が先行優位性をマネタイズするために頼りにしている資産そのものを、コモディティ化してしまうからだ。

これは2つの効果を同時にもたらす。まず、最先端レベルのインテリジェンス(知能)を、プレミアム製品ではなく誰もが利用できる当然の基準(ベースライン)にすることだ。そして次に、クローズドなAPIに依存するよりもセルフホスト(自社運用)を好む開発者や企業の間に、中国製のモデルファミリーを定着させ、普及を促すことである。

普及を示す数値がこれを裏づけており、両国間の資金力の差を考えれば驚異的だ。中国製のオープンウェイトモデルは、2026年春までにHugging Faceにおけるダウンロード数の約41%を占めるようになり、新しく作成されたHugging Faceの大規模言語モデル(LLM)派生モデルの約40%が、アリババのQwenファミリーだけをベースに構築されている。

advertisement

欧米の開発者の多くが利用する集約プラットフォームであるOpenRouterでは、中国製オープンモデルのシェアが2024年末時点のほぼゼロから、最近ではトラフィック全体の約30%にまで急増した。スタンフォード大学の「AI Index 2026」によると、米国が民間AI投資全体で中国の約23倍の資金を投じているにもかかわらず、米中の最先端モデル間の性能差は、2023年の最大31.6ポイントから、わずか2.7%にまで縮まった。

次ページ > 米国のオープンウェイト陣営は層が薄くなっている

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事