Forbes JAPAN 2026年10月号は、日本発「世界を変える30歳未満」30人「30 UNDER 30」を特集。
30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が11年より開催し、世界的に注力している企画だ。『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。今年の受賞者も、AI革命の真っただなかで先頭に立ち、想像力、知性、そして並外れたグリット(やり抜く力)をもって、「自分が思うより良い未来」を目指す30人。彼ら彼女らがつくる「 新しい社会、新しい経済」から見えてくるものこそが、日本の未来の希望になるーー。
本号のカバーを飾ったのは、カバーインターネットカルチャーを軸にしたクリエイティブで、ユース世代の熱狂を生むJeter。2025年はツアーで20都市以上をまわり、「世界」へと飛び出した。
「昔は本当に『ヤバいやつら』とか、『宇宙人』みたいな見られ方をしていた気がするんですよ」
そう笑うJeterの口ぶりは、驚くほどあっさりしている。2026年現在、Peterparker69は、国内のユースカルチャーを語るうえで欠かせない存在になった。プロデューサーのY ohtrixpointneverとともにユニットを組み、活動を始めてから5年ほど。その間、楽曲「Flight to Mumbai」がAppleのCMに起用され、野田洋次郎(RADWIMPS)とのコラボレーション曲「Hey phone」が話題になった。さらには、国内最大級のヒップホップフェス「POP YOURS」への出演を重ね、Frost ChildrenやTwo Shellら海外アーティストとの共演・コラボレーション、欧米・アジアを巡るツアーを経験するなど、その活動は世界へ広がっている。
Peterparker69の表現は、インターネットカルチャーを軸に、ヒップホップ、クラブミュージック、ゲーム、ファッション、映像表現といったあらゆる領域の感覚を吸収したものだ。その鮮やかな音楽とビジュアルは、国内だけでなく海外のリスナーやアーティストにも影響を与え始めている。
しかし、本人にその実感はほとんどない。
「自分たち的には、あんまりそういう感覚はまだないですね。結構、地続きというか。ただ最近は、『Peterparker69っぽい音楽をつくってる人がいるよ』とか、『これめっちゃ似てるね』みたいな話を周りから聞くことが増えて」
変わったのは、自分たちではなく世の中のほうかもしれない。数年前まで「何これ?」と戸惑われていた音楽が、少しずつ受け入れられるようになってきた。
「理解され始めたことで、ちょっと寂しい気持ちもあります。『あのころ、楽しかったな』みたいな。初期のころは、曲をリリースして『どうだ、この音聴いたことないだろ』って感覚でいたから(笑)。自分たちのことも、音楽も、全然知らない人たちの反応が楽しかったんですよ」
この言葉は、Jeterの価値観を反映している。彼は「流行をつくりたい」とは言わない。むしろ、誰も知らないものを見つけて、最初に驚かせる瞬間にこそ価値を感じている。




