ロシアによるウクライナ全面侵攻は、4年半におよぶ戦いのなかで膨大な数の人的損害を生み出している。米戦略国際問題研究所(CSIS)は7月の報告書で、ロシア軍の損耗人数(戦死者と戦傷者、行方不明者の合計)を140万人と推計した。またウクライナ軍参謀本部は、8月11日までの24時間で、ロシア側は新たに1190人の人員を失ったとしている。ロシア軍の損害は途方もない規模に達しており、アナリストらは、クレムリンはウクライナでの攻勢を維持するのに十分な数の兵士を採用するのに苦慮していると指摘している。
ロシアの戦争支持派の軍事ブロガーらによれば、ロシア軍の指揮官たちは戦場での進展について過度に楽観的な評価をウラジーミル・プーチン大統領に伝えており、そのためクレムリンは、マンパワー(人的戦力)を拡大すればいずれウクライナ側の防衛線を突破できるという見方を強めているという。その結果、ロシア軍では、ウクライナの「ドローン(無人機)の壁」に投入し、引き続き徐々に前進するのに十分な数のマンパワーを確保することを優先する体制ができあがっている。
「負傷した兵士や障害を負った兵士の集団を前方へ送り出す。彼らは撃破される。ロシア軍はそれを見て、ウクライナ側のドローンがどこから発進しているのか、ウクライナ側の射撃陣地がどこにあるのかを探るのです」。ウクライナ陸軍第47独立機械化旅団の将校だったミコラ・メリニクは、筆者にそう説明した。「その後、ロシア軍はそうした陣地の制圧を試み、続いてより戦闘能力のある歩兵を送り込もうとします」
Chasiv Yar, Donetsk region. Russian assaultmen from the so-called "crutch battalions" - one occupier walks with two sticks, while the other crawls on all fours. pic.twitter.com/MTf0INCkHa
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) February 25, 2025
障害を負ったロシア兵が再び戦闘に投入されていることは映像で何度も記録されており、ソーシャルメディアなどで報告されている。メリニクが述べているように、こうした兵士は「おとり」として利用される。彼らがウクライナ側のドローン操縦士の注意を引きつけ、その隙により戦闘能力のある兵士が戦場を通過しようとする。おとりにされた兵士らが攻撃を受ければ、それを手がかりにウクライナ側の陣地を特定し、ドローン操縦士の位置を突き止められる可能性もある。
🇺🇦FPV drone finishes off a Russian soldier with a disability, who was moving with the help of a single crutch and a rifle somewhere in the Donetsk region. pic.twitter.com/Cd1yeyZQgc
— Cloooud |🇺🇦 (@GloOouD) May 7, 2026
米紙ニューヨーク・タイムズは2023年4月、ロシア側では、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している受刑者すら、治療を受けられることを条件に民間軍事会社ワグネルグループで戦っていたことを報じている。



