メリニクは「ロシア軍の指揮官たちは突撃の実施を命じられながら、そうするには戦闘能力のある人員が十分にいないという状況に置かれています」と指摘する。「大きな損失を出しても責任を問われないので、彼らは負傷兵や障害を負っている兵士、ほかにも送り込める者は誰でも前方へ送り出すのです」
人命軽視・軍事都合優先のロシア軍文化
ロシア陸軍第69親衛自動車化狙撃師団に所属する軍人、セルゲイ・アレクサンドロビッチ・ピサルチク(50)は2026年5月、親族に最後の動画を送った。ロシアの反戦系テレグラムチャンネル「動員ニュース(モビリザーツィヤ・ノーバスチ)」が共有したその動画には、松葉づえをついている兵士を含め、身体に障害を負ったロシア兵6人が、戦闘に送り込まれる様子が映っている。ピサルチクはその中で、自動小銃2丁と防弾ベスト3着を6人で分け合わないといけないとも語っている。
「ロシア軍の文化は1941年までさかのぼり、それからずっと変わっていません」とメリニクは言う。「人命は尊重されず、軍事上の都合があらゆる人間的価値よりも優先される。いわゆる『障害者部隊』はけっして新しいものではありません。こうしたものは第二次世界大戦中にも存在しており、今日も続いているということです」
ウクライナのドローンから撮影された、身体に障害を負ったロシア兵の映像はたびたび投稿されている。松葉づえや、棒に支えられて歩いている姿の場合もある。前線のロシア兵から寄せられた体験談を掲載しているロシアのテレグラムチャンネル「戦友(ブラーチヤ・パ・アルージユ)」も2025年11月、ロシア軍の障害者部隊について伝えている。
A Russian soldier on crutches was spotted attempting to advance toward Ukrainian positions in the Pokrovsk sector.
— Saint Javelin (@saintjavelin) April 16, 2025
Aerial reconnaissance from the Spartan Brigade captured the moment, yet another example of how the enemy sends forward its troops regardless of their physical… pic.twitter.com/ziVs3rVApk
ロシア陸軍第51親衛諸兵科連合軍の兵士らは同チャンネルに「完治していない者が最前線に駆り出され、『300(負傷兵)』も同じく、後送されずさらに前へ送り込まれる。外出許可もなければ補償もない。休暇もない。交替もない」と訴えている。指揮官のひとりは人員点検の際、ある負傷兵について「そいつの脚に松葉杖をくくりつけて、接触線まで行かせろ」と命じたという。


