生き残りを実際に予測するもの
プーツィオウリスは、承継を乗り越えるファミリービジネスとそうでない企業を分ける4つの実践を挙げる。
・家族株主評議会:家族の利益と事業上の意思決定を切り分ける正式な機関
・家族憲章と株主間契約:必要になる前に書面化しておく、関与のルール
・構造化された承継計画:財務的要素だけでなく、価値観とリーダーシップの核心に焦点を当て、創業者の退任前にストレステストを行う
・独立したガバナンスと監督:創業者の存在に依存せず機能する、専門的なチェック体制
これらはいずれも、後継者を選ぶこと自体を目的としていない。一人の人物が部屋を出た瞬間に崩れないシステムを構築することが目的である。
「資本配分、資産保全、起業家精神、紛争解決に対する規律あるアプローチは、家族の価値観と事業戦略の整合性を確保する」とプーツィオウリスは指摘する。継続性計画は、作成してしまい込む文書ではない。家族の力学、市場、規制が変化するたびに、見直されなければならない。
LVMHにとっての真の試練
CNBCのサラ・アイゼンによるインタビューで、ベルナール・アルノーは承継に関する質問に次のように答えた。
「10年後にまた聞いてくれ。そのときならもっと正確な答えを返せるだろう」
彼の見方は変わっていないようだ。アルノーは公の場で、リーダーシップが子どもたちの誰かに保証されているわけではなく、社内外を問わず、その役割に最もふさわしい人物が担うべきだと述べてきた。
その原則が、実際にその時が来たときにも貫かれるかどうか。それこそが本当の試練である。LVMHだけでなく、この展開を見守るあらゆるファミリー企業にとってもそうだ。ファミリービジネスの未来は、誰がそのイス(リーダーの座)を受け継ぐかによって決まるのではない。その事業がもはや一つのイスに依存しなくて済むほど強固なリーダーシップシステムを、誰が構築するかによって決まる。
LVMHは、自らがそれを築いてきたのかどうかを、まもなく知ることになる。


