2026年の労働環境をどう乗り切ればよいか、自分の子どもにどうアドバイスすればよいのだろうか。
多くの親が厄介な問題に直面している。今日の労働市場は、これまでのどの時代とも根本的に異なって見えるのだ。それは実に手強い。オートメーションの影響が世界中に及ぶなか、若手労働者はますます締め出され、望まれず、雇用主から求められていないと感じるようになっている。かつて人間が行っていたことの多くが今や機械に取って代わられており、状況全体が絶望的に感じられる人もいる。
これから示すように、深い不確実性があり、識者の間でも見立てや予測に食い違いさえある。AIは雇用を減らすのか、それとも生み出すのか。若手労働者は割を食うのか、そうでないのか。
新卒者に助言せねばならないという難儀な立場にある人が考えるべき、大きな3つの論点を紹介する。
機会か、それとも実存的脅威か
ある意味で、AIは一度に2つの異なるものが見えるだまし絵のようなものだ。ウサギの輪郭が人間の顔に見えたり、垂直に交わる線の集まりが森に見えたり、といった具合である。
AIもそれに似ている。ある時には、人間が王侯貴族のように暮らし、あらゆる労働を機械の助手(語源的には「デーモン」)に委ねる、豊かな世界を思い描く。またある時には、AGI(汎用人工知能)がもたらす脅威を思い、深い実存的な不安に襲われる。超知能を持つ機械は、我々の自己像を傷つけかねない、といった具合だ。
これは、キャリアを歩み始めようとする者や新卒者、そしてその他すべての人が今まさに直面している、3つの大きな不協和音の原則のうちの1つに過ぎない。
労働力不足か、雇用不足か
オートメーションが飛躍的な失業率上昇を引き起こすと考える者と、その影響は世代交代などの要因によって相殺されると考える者との間には、人口動態を巡る意見の食い違いもある。
「現在の移民水準では、米国の労働力は2040年までにおよそ120万人減少すると予測される」と、Hiring Labのフェリックス・アイダラとローラ・ウルリッヒは書いている。「短期的な減少はより急激だ。2032年までに約3.7%、590万人の減少となる見通しで、その主な要因はAIによる変化ではなく、労働者の高齢化と退職である」
筆者は、Z世代が下す選択についてFortuneのこの記事を読んでいた。それについては後ほど触れるが、まずは筆者のジェイソン・マーがこの考えを裏付けるために用いたいくつかの統計を紹介しよう。
「労働市場データ企業のライトキャスト(Lightcast)は2024年、人口減少の中で米国の雇用主は『国史上最大の労働力不足』に見舞われると予測した。ジョージタウン大学教育・労働力センターは昨年、米国経済は高卒以上の教育・訓練を受けた労働者があと525万人必要になると推定し、教育を大幅に拡充しなければ2032年までに171の職業がスキル不足に直面すると警告した」
両者の要点は、私が今年TedX Boston 250などのカンファレンスに出席したりインタビューを行ったりして耳にしてきたことと似ているようだ。すなわち、大きな問題は労働スキルのミスマッチであり、目標は大きく異なるビジネス世界に対応できるよう労働者を再教育することにある、というものだ。
ジェネラリストとスペシャリスト
では、Z世代にはどんなスキルが必要なのか。ここでも、また議論がある。マーは、新入社員に何でもこなせる万能型を勧める者と、1つに集中することを勧める者との間の分断を描いている。
一方で、マーは経済学者のエド・ヤルデニの言葉として、今日の仕事にはエージェント型AI、責任あるAI、AIインフラなど、AI関連の特定分野への専門的な集中が求められるとする見方を紹介している。
しかし、マーは別の経済学者、ノーベル賞受賞者でMIT教授のサイモン・ジョンソンの異なる考えも引用している。
「汎用型のオタクとは、最新のAIを週末のうちに使いこなせるような人物のことだ」とジョンソンは語り、若者にはこうした幅広さが必要になるという考えを主張した。「月曜と火曜には、実在の人物と対面でインタビューし、そこから学ぶことができる。水曜には、まだデジタル化されていない50年前の本を読み、その意味を理解し、どう活用するかを考え出せる。木曜には、ポッドキャストを運営できる。金曜には、大臣向けに1ページの要約書を用意する」
大臣向けに?
まあ、要点はお分かりいただけるだろう。
要するに、若者は大きな選択を迫られている。これは昨日までの世界ではなく、そのことは日を追うごとに明白になっている。
今日の若手プロフェッショナルは、スペシャリストになる道を選ぶのか、それとも汎用型のオタクを選ぶのか。それは概ね個人の好みの問題だ。一人ひとりが自らの道を切り開かねばならない。そして、このジャングルには地図がない。今後の展開に注目していきたい。



