北米

2026.08.18 09:46

米国のAI競争、勝敗を分けるのは「人材」

AdobeStock

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人工知能(AI)は、現代における決定的な経済競争の場となっている。米国は、AIインフラ、データセンター、半導体、高度なコンピューティングシステムに数千億ドルを投資している。

しかし、半導体やアルゴリズム、イノベーションに関する議論が盛んに行われるなか、ビジネスリーダーたちは根本的な現実を見落としている。それは、AIとは究極的には「人材」の問題だということだ。

AI革命を牽引する企業は、単に市場シェアを争っているのではない。彼らは人材を奪い合っているのだ。

最近の労働および移民データは、顕著な傾向を示している。多くの伝統的なテクノロジー企業がH-1Bビザ(専門職向け就労ビザ)の申請数を減らしている一方で、OpenAIやAnthropic(アンソロピック)、Nvidia(エヌビディア)などのAIに注力する企業は、高度なスキルを持つ優秀な海外人材の採用活動を強化している。多くの場合、その理由は単純だ。国内だけでは、需要を満たすのに十分な資格を持った専門家が不足しているからである。

人材のボトルネック

AIに関する議論はテクノロジーに終始しがちだが、真のボトルネックは人的資本である。

業界の調査予測によると、スキル不足は生産性の低下や機会損失を通じて、世界経済に数兆ドルの損失をもたらすとされている。高度なAIや機械学習の専門知識を持つ人材の確保は、多くの企業にとって依然として大きな課題だ。

この課題はシリコンバレーだけに留まらない。

製造業はエンジニアを、医療機関はAI専門家を、金融機関はデータサイエンティストを必要としている。また、建設会社はデータセンターの建設やエネルギー網の拡張など、インフラを支える熟練労働者を求めている。

Google(グーグル)でさえ、米国のAIインフラ需要の拡大に伴う労働力不足への対策として、最近大規模な取り組みを発表した。

テクノロジーだけで労働力不足を解決することはできない。解決するのは人である。

経済競争力

現在成功を収めている多くの企業は、移民によって設立、あるいは共同設立された。研究によると、海外生まれのSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の専門家は、イノベーション、生産性の向上、特許創出において極めて大きな貢献をしており、経済学者の試算によれば、過去数十年間における米国の生産性向上のかなりの割合を海外のSTEM人材が占めていたという。

グローバルな優秀層の獲得競争は、もはや米国だけに留まらない。世界各国の政府が、付加価値の高い人材を惹きつけるために設計された特別移民プログラムを通じて、科学者、エンジニア、起業家、AI専門家を積極的に勧誘している。

取り残されるリスク

ビジネスリーダーは、表面化していない事実に細心の注意を払う必要がある。移民を巡る議論は政治的な側面に集中しがちだが、ビジネスに与える影響はほとんど注目されていない。

イノベーションは人材に追随する。

資本はイノベーションに追随する。

そして、経済成長はその両方に追随する。

前進するためのより良い道

雇用主は、次世代の人材を育成するために、国内の労働力開発や研修プログラムへの投資を継続できる。

これは二者択一の問題として捉えるべきではない。米国は、より多くの労働者を訓練すると同時に、世界最高の人材を惹きつけることもできる。実のところ、長期的な成功にはその両方が不可欠だ。

ビジネスリーダーにとって、これは移民戦略を単なる直前の行政手続きとしてではなく、要員計画の一環として扱うべきであることを意味する。高度な技術を持つ専門人材に依存している企業は、早い段階で採用ニーズを評価し、海外からの採用が必要となる可能性のある職種を特定した上で、ビザ申請手続き、政府による審査、潜在的な遅延などを考慮した現実的なタイムラインを構築する必要がある。

雇用主はまた、移民政策や関係当局のガイダンス、法執行の優先事項の変更を注視すべきである。解釈や手続きのわずかな変化であっても、採用のタイムライン、必要書類、従業員の異動に影響を及ぼす可能性がある。グローバル人材に依存している企業は、ビザの有効期限、労働許可の期限、渡航リスク、コンプライアンス義務を追跡するための社内システムを整備しておくべきだ。

経験豊富な移民専門の法律顧問と連携することも有効な手段である。目的は、承認を得ることだけでなく、回避可能なトラブルを最小限に抑えることでもある。確かな法的アドバイスは、雇用主が適切なビザカテゴリーを選択し、不備のない申請書類を準備し、政府からの要請に効果的に対応し、従業員の入社後もコンプライアンスを維持する上で役立つ。

企業は、単一のビザ申請以上の戦略を描く必要がある。強力なグローバル人材戦略には、H-1Bの計画、卓越した能力を持つ個人向けのO-1ビザ(卓越能力者向けビザ)の選択肢、多国籍企業向けのL-1ビザ(企業内転勤ビザ)による転勤、雇用に基づくグリーンカード(永住権)のスポンサーシップ、そして重要従業員のためのコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)などが含まれ得る。競争力のある雇用主とは、利用可能なすべての選択肢を理解し、先を見据えた計画を立てられる企業になるだろう。

最後に、ビジネスリーダーは移民に関する不確実性が従業員の定着率に影響を及ぼし得ることを認識すべきである。高度なスキルを持つ労働者は、安定性、明確さ、そして未来を求めている。明確なコミュニケーションを取り、主体的に計画を立て、長期的な移民ルートをサポートする雇用主こそが、イノベーションを推進する人材を惹きつけ、定着させることができる。

グローバルなAI競争を勝ち抜く企業は、単に優れたソフトウェアを持っているだけでなく、最も優れた人材を擁している可能性が高い。そして、人材はますますグローバルな資源になりつつある。

forbes.com 原文

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