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2026.08.20 12:30

なぜAnthropicなどAI企業は、古書を買い集め裁断し処分しているのか

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法的な責任リスクとデータ品質が、AI企業を紙の書籍へ向かわせた

AI企業が紙の本に目を向けたのは、デジタルの学習データに2つの大きな問題があったからだ。法的な責任リスクと、データの質である。海賊版の書籍を集めたオンライン書庫、いわゆる「シャドウライブラリ」を使ったことで、AI企業は作家、アーティスト、写真家、報道機関から巨額の著作権訴訟を起こされてきた

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これに対し、紙の本を買えば、その1冊をどう扱おうと所有者の自由が法的に認められる。廃棄することも含めてだ。しかも、紙でしか存在しない絶版本やニッチな本、専門書に数百万冊単位で手が届く。2022年より前に印刷された本を選べば、AIの手が入っていない文章だけで学習させられることも保証できる。

今のインターネットはAIが書いたページであふれており、そうした文章を新しいモデルに読ませても賢くはならない。一方、紙の本には、人間が書き、しかも入念に編集された言葉があり、長い文章を通して筋の通った論の運びがあり、物語としての構造がある。短いウェブページやAIの生成文にはない性質だ。

米国では、「適法で購入した紙の本を破棄し、社外非公開のデジタル版へ置き換える」は合法

まず、本を(合法のもと)買って破棄する行為は合法だ。紙の本を買った人が、望むならそれを廃棄できる根拠になっているのが、(米国では)著作権法のファーストセール・ドクトリン(first-sale doctrine。適法に売られた1冊については、その後の扱いを著作権者ではなく購入者が決められるという原則)だ。

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また別の訴訟では、適法に購入した紙の本を社内でのモデル学習のためにデジタルファイルへ変換する行為は「変容的」なフェアユース(公正利用。一定の条件を満たせば著作権者の許諾なく著作物を利用できる米国の制度)に当たると判断されている。

批判する側は、企業が紙の本の所有権を法の抜け穴として使い、作り手に対価を払わないままデジタルデータセットを量産している、と主張してきた。それでもこの手法は、現行法のもとでは違法にならない。

破棄された冊数は不明、1件の契約で最大200万冊をスキャンする計画

どれだけの本が破棄されたのかは、誰にも分からない。Anthropicの訴訟で開示された裁判記録によれば、同社は業者との6カ月契約1本で50万〜200万冊をスキャンする計画を立てていた。社内文書には、「世界中のすべての本を破壊的にスキャンする」つもりだと記されていた。

404メディアの取材に応じた関係者によれば、匿名の発注は1回あたり1000冊から100万冊に及んだ。米国、英国、欧州の古書店からも、一見脈絡のないノンフィクションや絶版本の大量注文が、1回の取引で数百から数千タイトルに上るのが常だという報告が出ている。

Anthropic、「世界中のすべての本を破壊的にスキャンする取り組み」

「Project Panamaは、世界中のすべての本を破壊的にスキャンする取り組みである」。Anthropicの社内計画文書には、そう書かれていた。「私たちがこれに取り組んでいることは、知られたくない」。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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