数年前、ジェナ・ニコラスは社会的責任投資の先駆者であるCalvert Fundsの創業者の1人の退任パーティーで、旧知の友人たちが集まる部屋にいた。そこで誰かが、例の墓碑銘の逸話を再び語った。Calvertを創業したウェイン・シルビーがかつて仏教のリトリートに参加し、自分の墓碑銘を想像するよう求められたときの話である。彼の正直な答えは、「隣の男より2%多く稼いだ男」だった。彼はそれをひどく嫌った。会社に戻ると、同僚たちに働きかけ、会社を社会的責任へと向かわせた。現在、Calvertの運用資産は約450億ドル(約7兆1700億円)に上る。
ニコラスは、その話の別バージョンを以前にも耳にしていた。彼女は15年間、シルビーをはじめ、インパクト投資の分野を築いた世代の人々と肩を並べて働いてきた。そして現在は、気候変動、ヘルスケア、教育に投資するアーリーステージおよびローワーミドルマーケット向けファンド、LightPost Capitalを率いている。そうした先駆者たちが年を重ねていくのを見て、彼女は彼らの物語をまだ聞けるうちに記録したいと考え、書籍のためのインタビューに取りかかった。
彼女がインタビューした人々の中には、その後亡くなった人もいる。そうした対話をたどる中で、あるパターンが繰り返し浮かび上がった。ニコラスはやがてそれを、HEALという枠組みに整理した。Hope(希望)、Empathy(共感)、Abundance(豊かさ)、Legacy(レガシー)である。この枠組みは、今年初めに刊行された書籍の背骨となった。そのタイトルは、利益と目的をいまだ対立するものとして扱うすべての人への挑戦でもある。『Enlightened Bottom Line: Exploring the Intersection of Spirituality, Business, and Investing』だ。
「これらは、投資家やビジネスリーダー、その他の人々が、日々の仕事や活動に意味と目的を真に融合させていく過程で使えるツールです」と彼女は語った。それは「組織や社会の中でどのような役割を担っているかにかかわらず」当てはまるという。
4つの柱、その順序
この本は4つの柱を1つずつたどり、各章の終わりには、1人でもチームでも取り組める内省のための問いが置かれている。ニコラスによれば、人々はそれを読み飛ばすのではなく、実際に活用しているという。
最も多くの紙幅が割かれているのは希望だ。彼女は研究者ブレネ・ブラウンの「希望をマイクロドージングする」という表現を借りている。希望とは、訪れるのを待つ気分ではなく、小さく、繰り返せるものだからだ。彼女がよく挙げる例は、教育会社Seven Mindsetsを率いるスコット・シックラーである。彼は机の上に杖を置いている。「恐れや欠乏に基づく思考に陥っていると感じたとき、彼は文字どおりその杖を振ります。それが、希望や可能性の感覚を育む助けになるのです」とニコラスは語る。彼女の枠組みにおいて、希望は自然に湧き上がる感情ではない。習慣である。そして習慣には、実際に手を伸ばせるきっかけが必要だ。
枠組みがタームシートと出会う場所
これは、ニコラスが本の中に閉じ込めている理論ではない。HEALは、LightPostで投資案件を審査する際の方法そのものだ。
最近、130億ドル(約2兆700億円)の評価額で資金調達を行った投資先企業、Devoted Healthを例に取ろう。医療提供者は患者に会う前に、いったん立ち止まり、その患者を家族として思い描くよう伝えられる。「私たちのあらゆる組織で、人々を愛する家族の一員であるかのように接するとしたらどうなるのか、そうしたことを実践できたらどうでしょう」とニコラスは語った。小さな儀式が、はるかに大きな問いを示している。共感が壁に掲げられた価値観ではなく、業務フローの一段階になったとき、何が起きるのかという問いだ。
ポートフォリオの他の企業も同じ論理で動いている。Cambiumは、GoogleやAmazonのような企業に持続可能な木材を販売し、かつては経験則に頼っていたサプライチェーンの管理にAIを活用している。天然痘の根絶に貢献し、その後Google.orgを率いたラリー・ブリリアント博士が創業したEvertaiは、AIを用いて、医療を画一的なものではなく、再び個人に合わせたものにしようとしている。Clarinetは、企業がAIについて語るだけでなく実際に導入できるよう支援し、技術に研修を組み合わせることで定着させている。投資はアーリーステージのラウンドから、売上高500万ドル(約7億9600万円)から1500万ドル(約23億9000万円)の企業の全株取得まで及ぶ。ニコラスが言うこのロールアップ戦略は、アップサイドよりも希少なものをもたらす。資本構成だけでなく、カルチャーをコントロールできることだ。
「私たちはLightPostでの仕事を、スピリチュアリティ、ビジネス、投資の交差点にある多くの原則を探求し、応用するための生きた実験場として捉えています」と彼女は語った。
人々が声に出して言わないこと
ニコラスがインタビューを重ねる中で、繰り返しぶつかったパターンがある。人々は、スピリチュアリティや目的が自分にとってどれほど重要かを打ち明ける。しかし話の途中で我に返り、こう言うのだ。「これについて話してよいとは、あまり思えません」。彼女が掲げる目標は、「こうしたテーマについて関わるための参入障壁を下げ、それをビジネスや投資の意思決定プロセスの一部として当たり前のものにすること」である。
その直感は、彼女がインパクト投資そのものをどう読むかにも影響している。彼女はこの分野の揺れ動きを15年間見てきた。若い投資家たちは、自分たちが本当に信じるものと一致するポートフォリオを求めて、さらに強く働きかけている。一方で、一部の機関投資家は、特に米国においてESGという言葉を使うことに慎重になっている。ニコラスは、その沈黙を降伏とは見ていない。測定に真剣に取り組み、公の場でそれを語るのをやめることを選んでいるのだと受け止めている。
インフラへの賭け
ニコラスのキャリア全体は、目的とパフォーマンスを別々の欄に分ける考え方への反論である。希望、共感、十分であるという感覚。それらはいずれも、優れたビジネスに添えられる飾りではない。彼女の投資のあり方では、それらは貸借対照表に劣らず確かな、投資判断の基準である。
シックラーの杖は、ほとんどの人が聞いたこともない教育会社の机の上に置かれた、小さく、少しばかり奇妙な物である。だがそれは、ニコラスがキャリアをかけて築こうとしているものを指し示している。希望は、やり過ごす天気のようなものではなく、意図して整えるインフラであるという考え方だ。LightPostはなお最初のファンドを組成中である。HEALの枠組みも、投資先企業1社、内省の問い1つずつを通じて広がっている段階だ。もしそのいずれかが、かつてのCalvertのように根づくなら、次の世代が退任パーティーで語る物語は、ビジネスの進め方における奇妙な例外についてではないかもしれない。本来、ビジネスは常にこう機能すべきだったのだ、と語ることになるだろう。



