Pixel 11の本質は機能の多さではなく、カメラを含むハードウェアの完成度が高まり、Gemini、Android、そしてGoogle Tensor G6チップを一体で設計する強みが素直に体験へ表れ始めたことにある。
iPhone 17世代と比べると、Pixel 11はAIをユーザーの身体と操作にもう一歩近づけようとする姿勢が明快だ。チャットのカードやGemini Liveには、従来の操作を具体的に減らす意図が見える。Quick ShareがAirDropとの相互転送に対応したことも、長く存在した乗り換えの壁を低くする。ハードウェアの成熟度でも見劣りしなくなった今、グーグルのPixel 11はAIスマートフォンとしての違いを最も説得力ある形で示すことができる世代なのかもしれない。
手首を持ち上げるジェスチャー操作でGeminiを起動
スマートウォッチのPixel Watch 5では、責任者のライアン・クレムズ氏がインタビューの際に語った「身体に最も近いAIデバイス」という、本機のウェアラブルデバイスとしての価値を確かめた。
手首を口元へ持ち上げるだけでGeminiを起動できる「手をあげて話す」は、ひとつの象徴的な機能だ。ジェスチャーと音声の感度を調整でき、静かな場所なら小声も正確に拾う。スマートフォンを取り出さずに、応援するプロ野球チームの試合の状況、Gmailのアカウントに最近届いたメール、Googleカレンダーに登録されている明日のスケジュールなど、すばやく確認したい時にはPixel Watchの機動力が活きる。
ただし初期設定を変更しておかないと、Geminiに大きな声で話しかけなければならないし、Geminiの応答も音声で返ってくる。ウォッチの設定から「手をあげて話す」時の音声の感度を上げると、小さな声で話しかけてもGeminiが聴き取れるようになる。また「Geminiの音声」をオフにすることもできる。それでもなお、満員電車の中などでは使いづらいかもしれないが、ボタンや画面タッチによる操作と上手に使い分けながらウォッチのGeminiを活用したい。
ダブルピンチと手首をひねるジェスチャーは、画面のスクロール、メディア操作、通知への応答などに利用できる。便利な場面は確かにあるが、今後はより割り当てを細かくアプリ単位などで変更できるようになれば、さらに馴染むだろう。
ユーザーの健康管理をGeminiが支援
Pixel WatchのAI関連のサービスについて、最も可能性を感じたのは「Google Health コーチ」だ。ウォッチが集めたユーザーのワークアウトや睡眠のデータを基に、Geminiと会話しながらコーチングが得られる。
ウォッチが計測したデータがただ並べられるだけでは、自分が次にどんなアクションを起こして良いのかわかりにくい場合もある。AIが生体データを自然な言葉づかいによる評価やアドバイスに翻訳し、具体的な行動を促してくれる。


