Gboardの「AI 音声入力」にも同じ設計思想を感じた。Pixelスマートフォンに話しかけてから、音声をテキストに変換した文章が画面に現れるまで少し間は空くものの、言いよどみや、話しかけながら言葉に詰まった時の空白を取り除き、句読点を補いながら、読みやすい日本語に整えてくれる。生成結果を送信前に確認し、誤りがあれば手で直せるユーザーインターフェースも現実的だ。
この機能の認識と補正の精度は既に高いレベルにある。ただし、静かな室内では快適でも、騒がしい場所や通勤電車では音声そのものを使いにくい。実力を発揮させるための条件に制約がある。上手に使いこなせる場面を見つけたい。
AIとユーザーの距離をさらに縮めたスマートフォン
Gemini Liveは、Geminiと音声で自然な対話を続けられる機能だ。2024年10月以降、Google PixelをはじめとするAndroidスマートフォンで順次日本語に対応しており、最新モデルのPixel 11シリーズでも利用できる。これをAndroid 17で追加された「バブル」機能と組み合わせると、画面上にGeminiがフローティングウィンドウとして常駐し、エージェントが常に控えているような感覚で操作できる。
旅行の計画やコストパフォーマンスの高い商品探しをGeminiに一任することも可能だが、ブラウザで写真を見ながら気になる点についてGemini Liveと対話し、思考を深めていくような使い方も実用的だし、何より楽しい。バブル機能によるマルチタスキングは、大画面を備えるフォルダブルのPixel 11 Pro Foldと特に相性が良かった。Foldでの使用感については、改めて別の機会にレポートする。
「マジック キャプチャー」や「カメラスタイル」もクリエイティビティを刺激するAI関連の新しい機能だ。前者はシャッターを一度押すだけで動画と高画質な静止画を同時に残し、共有しやすい形に整える。後者は写真の色調や陰影を自分の好みに近づけられる。ただ、カメラやフォトアプリによる写真の編集加工について、必要なAI機能がユーザーの好みにも大きく左右されるようだ。Pixel 10に採用されていた機能の中に、Pixel 11で廃止されたものがいくつかあることからも、グーグルもまだ試行錯誤の途中に見える。


