グーグルが8月20日に発売する「Google Pixel 11」シリーズと「Google Pixel Watch 5」を、約1週間試した。先に筆者が取材したグーグル本社のPixel 製品担当者は、スマートフォンにおける複数の操作がAIによって1タップに集約され、将来はそのタップさえ減っていくとインタビューの中で語っていた。また、スマートウォッチは常に手首にあるからこそ、Geminiと自然に接するための独自の役割を担うという。
では、そのコンセプトは最新モデルにどこまで深く宿っているのか。結論から言えば、Pixel 11とPixel Watch 5ではGeminiがただ賢くチャットを交わしてくれるだけではなく、ユーザーの小さな手間を日常的に引き受ける段階まで一歩進んだ手応えがあった。
地味だが効くPixel 11の「先回り」
Pixel 11シリーズにおいて象徴的な機能のひとつが、Android標準の「メッセージ」アプリに追加されたチャット内の「カード」表示だ。
デバイスの設定からGemini Intelligenceの「先回りアシスト」を有効にしておくと、受信したメッセージに予定の確認や訪問先の名称などが含まれていた場合、Geminiがカレンダーの登録状況を照合したり、該当する店舗情報を整理したカードをタイムラインに自動で提示する。なお、この機能はメッセージを送ってくれた相手がPixelユーザーでなくても動作する。
この機能を実機で試した。例えば、メッセージから店名をブラウザアプリにコピー/ペーストして、GoogleマップやGoogleカレンダーとアプリ間を往来する一連の手間が省かれる。開発者がこの機能を作った意図が伝わってきた。機能単体で派手さはない。だが、使うほどボディーブローのように便利さが実感されるのだ。
インタビューの際に、Google Pixelプロダクト マネジメント シニアディレクターのピーター・プルナスキー氏が説明した「AIによる、複数ステップの1タップ化」は、まさにこの感覚だった。現段階でAIスマホの成熟度を左右するのは、驚くような生成結果をアピールすることよりも、このように日常のひと手間を確実に消せる機能で着実に実績を積むことなのだ。



