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2026.08.24 13:30

OpenAIやAnthropicのプレIPO株取引 SPV高額手数料と詐欺リスクの闇

今や一般の投資家も、オープンAIやアンソロピックの未公開株を買えるようになっている。しかし、彼らと有名未公開企業の新規株式公開(IPO)で稼ぎ出される巨額の富との間には、怪しげな仲介業者たちが形成する不透明なネットワークがある。

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「通用口」的な代替ルートだった取引手段が、「正面玄関」的な王道ルートに転じつつある

2020年の夏、余暇を楽しんでいたモルガン・スタンレーの元トレーダー、アダム・クローリーは、リンクトインで受け取った突然の営業メッセージによって現実に引き戻された。送信者はノエル・モルドベイという暗号資産マニアで、非公開市場で最もホットなものを売り込もうとしていた。

金融業界に戻る気はなかったクローリーだったが、そのホットな市場はかなりアクセスが限られており、一方で狂乱的な需要があるというモルドベイの話には説得力があった。扱うのは、地球上で最も大規模かつ注目を集める新興企業の株式(プレIPO株)だという。つまり、アンソロピックやオープンAIなど1兆ドル規模の株式公開を計画している銘柄だ。一般投資家ではほぼ購入できるはずのない、誰もが欲しがる株である。

22年2月、クローリーとモルドベイはテキサス州オースティンでオーグメントを創業した。そのような未公開株を見つけて投資商品としてパッケージ化し、ほかの方法ではこうした株を購入できない機関投資家や一般投資家に販売するためだ。クローリーによると、オーグメントの運用資産はこの1年で2億ドル未満から10億ドル以上に膨れ上がっている(そのほぼすべてが未上場テック企業のプレIPO株だ)。主にアンソロピックの企業評価額が跳ね上がったことが要因だ。

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オーグメントは、何も新しい道を切り開いているわけではない。未公開企業の有価証券は12年のフェイスブックのIPOよりずっと以前から取引されてきた。しかし、AIブームによって、これまでは「通用口」的な代替ルートだったその取引手段が、むしろ「正面玄関」的な王道ルートに転じつつあるように見える。理由は単純で、注目のテック企業の未上場期間が長くなり、ベンチャー投資会社がその価値をより多く手にするようになっているからだ。例えばアップル株をIPO価格で購入し、その価値の上昇を数十年かけて待つ戦略は、かつては退職後のための資金計画として成立した。しかし昨今では、時価総額1兆ドル規模の企業のIPO株を購入し、その価値が3倍になるまで待とうとするのは、もはや老後の備えとして成り立たない。未公開株が最大の利益を生み出すのは、今やIPOに向けた目論見書の届け出が行われる何年も前になっているからだ。

その理由のひとつは、米証券取引委員会(SEC)が12年に実施したIPO規則の変更だ。それまで、資産が1000万ドルを超える、または株主数が500人を超える企業は株式公開を義務付けられていた。しかし、現在の株主数の上限は2000人だ。また、アンソロピックやオープンAIは、評価額1兆ドル以上で株式公開したい考えであるため、IPO後に飛躍的な成長を遂げる余地はあまり残されていない。

アダム・クローリー◎モルガン・スタンレーの元トレーダー。2022年2月、テキサス州オースティンでオーグメントを共同創業。SPVによる未上場テック企業のプレIPO株の保有で、運用資産は過去1年で2億ドル未満から10億ドル以上に増えた。
アダム・クローリー◎モルガン・スタンレーの元トレーダー。2022年2月、テキサス州オースティンでオーグメントを共同創業。SPVによる未上場テック企業のプレIPO株の保有で、運用資産は過去1年で2億ドル未満から10億ドル以上に増えた。
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文=フィービー・リュー イラストレーション=ニコラス・オルテガ 翻訳=木村理恵

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