アジア

2026.08.17 16:30

高市政権、米国、「債券自警団」──日銀・植田総裁を苦悩させる3つの圧力

日銀の植田和男総裁は難しい金融政策運営が続いている=ゲッティ

2025年1月の就任以来、トランプは連邦準備制度理事会(FRB)に利下げをさせようと繰り返し試みてきたが、うまくいっていない。FRBが動かないのであれば、日銀に金融引き締めを促すことで、米国の製造業を支援する別の道が開ける。だが、ことはそう単純ではない。日本は米国債を今年5月時点で1兆1000億ドル(約175兆円)あまり保有し、外国では群を抜いて最大の保有国なのだ。

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ベッセントが本当に恐れているのは、日本の債券市場の混乱が31兆ドル(約4900兆円)規模の米国債市場に波及することだ。そのリスクの芽を早い段階で摘んでおきたい。これは、彼がヘッジファンド時代に身をもって学んだ教訓でもある。日本で問題が生じた場合、それは世界に急速に広がる傾向にあるのだ。

いわゆる「円キャリートレード」の巻き戻しは過去25年、数々のヘッジファンドを沈めてきた。仕組みはこうだ。投資家は東京で低金利の資金を借り、それを海外のより利回りの高い資産に投資している。円相場が急激に動くと、こうした取引が一斉に逆回転し、日本から遠く離れた市場まで大きく揺さぶりかねない。

とはいえ、これは植田が抱えている問題の一部にすぎない。より差し迫った懸念は、やはり高市の積極財政路線だ。政府債務のGDP比が200%を超え、人口も減っている日本にとって、いまは財政の蛇口を大きく開くような状況だとはとうてい言えない。ところが、高市はもっと景気を刺激すること以外にほとんど意欲を示しておらず、同時に日銀に対しては利上げを控えるよう圧力をかけている。

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2024年、彼女は日銀がいま利上げするのは「アホ」とまで言い放った。高市政権は、あらゆる手を講じて日銀による一段の金融引き締めを阻止しようとするとみていいだろう。その攻勢はトランプによるFRBへの圧力に匹敵するものになりそうだ。

FRBが金利を据え置く一方で日銀も利上げを見送るとの見方が、円が為替介入後の上昇分のおよそ半分を失った理由のひとつだ。また、債券市場ははたして日銀による金利正常化路線の継続を許容するのかという疑念が強まっていることも、その一因である。結局、日本の金利が上昇するかどうかを決めるのは、植田というよりも債券市場なのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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