アート

2026.08.26 15:00

アーティスト・デュオA.A.Murakamiと「儚いテクノロジー」

Art Basel in Basel 2026. SYMBIOSIS by A.A.Murakami: Immersive art installation with BMW M760e xDrive at the BMW Lounge in Basel. Photo: Gary Yeh (06/2026)

──アート作品の環境フットプリントに責任を負うべきだとされていますが、サステナビリティは作品の制作にどのように影響していますか?

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グローブス:それは、私たちにとっての基本です。例えばこの作品も、繊維ガラスを使えばずっと簡単にできたでしょう。ですが、それ(ガラス繊維を用いた光沢のある繊維強化プラスチック)を使用して何かを作れば、目に見えないフットプリントを残します。マイクロプラスチックの粉じんです。水に入り込み、海に流れ込みます。

使用する素材については、常に意識しています。同時に、この作品がアート・バーゼルでほんの何日間か展示されるだけなのだということも、意識しています。作品が素材の使用終端なのであれば、制作のためのエネルギーの使用のすべてを、正当化することはできません。

ですから、私たちの作品は常に「移動可能」であり、組み合わせが可能です。私たちの作品で、移動したことがないものはありません。良い作品であれば、世界中に届けるべきだと考えています。私たちのすべての作品がそうです。この作品もそうです。

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──作品は、アートとデザイン、建築、エンジニアリング、科学の中間点のようなところに位置しているように感じられます。なぜこれまでのStudio Swine(スタジオ・スワイン)の枠組みを超えて、A.A.Murakamiをつくる必要があると思われたのですか?2つのユニットのバランスは、どのように取っていますか?

村上:2つのスタジオを運営するのは大変です。スタジオ・スワインが依頼を受けるプロジェクトはどのようなものであれ、お引き受けしていますが、積極的にそれ以外のプロジェクトを求めているというわけでもないのです。

グローブス:基本的に、デザイン・プロジェクトであればスタジオ・スワインで、アート・プロジェクトならA.A.Murakamiで手掛けます。私たちはアートもデザインも大好きですから。もともと、どちらもできると思っていて、違いを明確にする必要もありませんでした。

ですがあるとき、アートとデザインには違いがあるのだと認識しました。その違いは、本当に楽しめるものでした。そこで、それならばそれらを一緒にこなそうとするのではなく、きちんとわけようと考えました。そうして本当によかったと思っています。考え方が異なり、何かにアプローチするときの方法も異なりますから。

以前、恩師のリチャード・ウェントワース教授に「アートとデザインの違いは何か」と尋ねたことがあります。とてもシンプルに、「アートは問いかけ、デザインはそれに答える」のだと教えてくれました。一般化した答えですが、とてもいい答えだと思います。私は今も、それに従っています。

──意外な場所からアイデアを得られるようですが、新たなプロジェクトはどのように始まりましたか?

グローブス:私たちは東京でほぼ毎朝、小さなアサリが入った味噌汁を飲んでいました。その貝殻を、家で集めていました。模様がとても美しいからです。どの貝殻も模様が異なっていて、小さな陶器のようです。その模様は、中国の風景画のようでもあります。

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編集=木内涼子

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