A.A.Murakamiは今秋、韓国・ソウルにあるパラダイスシティ・アートギャラリーで初めて開催する個展で、彼らの代表作である没入型インスタレーション「New Spring」や「Beyond the Horizon」に加え、従来とはまったく異なる新たな作品、貝殻の模様を描き出すアルゴリズムに基づき制作した油泥画を発表する予定だ。
それらは制作活動の進化を表す重要な作品であり、儚いインスタレーションを超えて、生きるもののシステム、永続的なモノへと、彼らの探索の領域が拡大していることを表すものだ。さまざまなスタイルを取り入れる彼らの活動と、作品における科学とエンジニアリング、制作活動に対する尽きることのない好奇心について、話を聞いた。
──これまでもテクノロジーと自然の関係を探る作品を多く手掛けてこられました。アート・バーゼルでのBMWとのコラボレーション、「Symbiosis」はそのことと関わりがあるのですか?
グローブス:素晴らしい機会になりました。過去に発表されてきたインスタレーションを知っていましたから、BMWのプロジェクトに関わる機会を、ずっと望んでいました。声をかけていただいたのは、とても光栄なことでした。
私たちは何件もの研究開発(R&D)を行っており、いつも物事を素早く変化させています。公表はしていないものの、すでにR&Dの段階を終えているものも数多くあります。それらは、適切な機会が訪れるのを待っているものです。R&Dに投資するのは、いずれそうした機会が巡ってくるとわかっているからです。
BMWの「7シリーズ」のボディ・カラーには、ユニークな「タンザナイト・ブルー」があります。それをインスタレーションのテーマにすることは、すぐに決まりました。ブルーは波長の短い色──つまり、散乱するため深い層に到達するのが難しい色です。絵画において(空間を表現する)空気遠近法に青が重要なのは、そのためです。
私たちはこのスカルプチャー(立体作品)の全体をブルーにしました。そして、バブルを白く光らせました。このブルーの中から、バブルが現れます。この作品で初めて、このテクノロジーを披露しました。
──作品の背景にあるテクノロジーとエンジニアリングを、隠すより明示することが重要だと考える理由はどこにあるのでしょう?
村上:没入型のインスタレーションを制作することが多いので、スカルプチャーの中で、私たちのテクノロジーを披露するのは初めてに近いことでした。展示場に入ると、このスカルプチャーが2つのパートからできていることがわるでしょう。テクノロジーとバブルです。まさに興味深いのは、送風機ともやではないでしょうか。まるでスカルプチャーが呼吸をしているようです。機械は重力と流れの影響を受けていますから、バブルは動くやいなや、どこに行くのか、どうなるのかわからなくなります。そこに、この作品の美しさがあります。
私たちは、テクノロジーと物理現象の関連性を明確に示す2つのものを、1つのインスタレーションに含めたいと強く考えています。その自然現象が起こりうる状態を、エンジニアリングによってつくり出しています。
バブルは(スカルプチャーの下部に設置された格子状の)グレートの方へと落ちていきます。そして機械の内部へフィードバックされ、さらなるバブルを生み出します。つまり、これが表すのは、生命のサイクルです。


