テクノロジー

2026.08.17 13:00

グーグルのトップAI人材が新会社設立、加速するAI人材の大移動に必要な専門性の磨き方

kovop58 - stock.adobe.com

kovop58 - stock.adobe.com

1999年にグーグルに入社し、チーフサイエンティストを務めていたジェフ・ディーンを筆頭に、同社のAI部門を率いるエグゼクティブおよび科学者4人が、親会社アルファベットを去り、新たなスタートアップ「Discovery Loop」を設立した。

他の共同創業者3人は、オリオル・ビニャールズ、サンジェイ・ゲマワット、クオック・リーである。新会社のウェブサイトによれば、彼らはGoogle検索、Google広告、Googleニュース、Google翻訳、TensorFlow、Gemini、モデル蒸留、複数世代にわたる大規模言語モデル(LLM)など、数十年に及ぶ圧倒的な実績を共有している。

今回の動きは、AIネイティブ企業や大手テック企業における、AI人材の大規模な再編の直後に起きた。

デミス・ハサビスはGoogle DeepMindを率いる役職から退き、会長としてより戦略的な役割を担う一方、日々の事業運営の指揮はコレイ・カヴクチュオグルが引き継いでいる。

AI人材の大激震

AI分野における他の企業でも、最近、メタ、マイクロソフト、OpenAIを含め、主要なAI人材の激しい流動や再編が見られる。例えば以下の通りだ。

Meta

・2025年、アレクサンダー・ワンがScale AIを去ってMetaの「Superintelligence Labs」のトップに就任したことを受け、ヤン・ルカンが同社を去り、Advanced Machine Intelligenceの執行会長に就任した。

OpenAI

・ナオミ・バシュカンスキーは7月23日に辞任を発表し、思考をテキスト化するスタートアップConduitの創業エンジニアに就任した。

・2024年にOpenAIの共同創業者を辞任したイリヤ・サツケヴァーは、Safe Superintelligence(SSI)を立ち上げた。

・最も注目すべき退社の一つは、2020年に副社長の役職から退き、OpenAIのライバル企業であるAnthropicを設立したダリオ・アモデイである。

トップAI人材が大手テック企業を去る理由

これはテック業界における強力なパワープレイ(主導権争い)であり、AI人材の流出に伴ってスタートアップが誕生するスピードの速さは、私たちに一つの事実を突きつけている。私たちは今、テック人材の再配分をリアルタイムで目撃している。人材は大手テック企業から離れ、AIエコシステム内のより小さなサテライト(衛星)企業へと移動している。そして、そのサテライト企業が、同じように希少なAI人材を引き寄せる磁石として機能するのだ。このサイクルは今後も続いていく。

この背景には、アップルが自社の従業員のうち400人が現在OpenAIで働いていると主張する、アップルとOpenAIの訴訟問題もある。

今起きているのは、トップのAI人材にとって、現在の組織に留まることや競合他社に移籍することを超えた「第3の選択肢」が存在するということだ。それは、自身が持つ莫大な評価(レピュテーション)と知的資本を活用して自ら起業し、資金調達を行うという選択肢である。

目を見張るような高額報酬だけでは、大手AI・テック企業の従業員を引き留めるには不十分だ。

次ページ > AI時代に不可欠な存在となるため、このパワープレイをどう活用するか

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事