米中央軍(CENTCOM)を率いるブラッド・クーパー海軍大将は米国時間8月16日に声明を出し、自身が空母エイブラハム・リンカーンに乗艦して過ごした時間について「畏敬の念を抱かせる」と述べた。艦内でメンタルヘルスをめぐる危機が伝えられているにもかかわらず、イランに対する軍事作戦を支えるリンカーンでは関連する事案が他の空母より少ないとも主張している。
クーパーは現役空母11隻を挙げ、リンカーンは最少と述べた
リンカーンに乗り組む5000人は、2026年8月時点で260日を超えて洋上にとどまり、現代史でも最長級の展開を続けている。乗組員の家族と連邦議会議員は艦内でメンタルヘルスをめぐる危機が悪化していると警告してきており、兵員が艦から飛び降りようとする事案も相次いだと伝えられている。
クーパーは8月16日に出した声明で、米海軍が保有する現役空母11隻のうちリンカーンについて「メンタルヘルスに関連する事案が最も少ない部類に入る」と述べた上で、「これですべてが完璧だという意味ではない」とも認めている。中央軍はこれに先立ち、クーパーが10日間にわたる中東歴訪の一環としてリンカーンに立ち寄り、艦上で水兵や海兵隊員と面会したと明らかにしていた。歴訪の日程は8月15日に終わっている。
洋上9カ月目のリンカーン、ジョージ・ワシントンが交代へ
複数の軍事専門メディアと連邦議会議員は、1989年に就役した原子力空母リンカーンをめぐる状況に警鐘を鳴らしてきた。航海はすでに9カ月目に入り、対イラン戦闘作戦が始まってからも5カ月以上が過ぎている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は8月13日、事情に詳しい関係者を引用し、日本を拠点とする空母ジョージ・ワシントンがリンカーンと交代する見通しだと報じた。ただし交代がいつになるかは明確になっていない。リンカーンは2025年11月21日に展開を始め、当初は2026年5月に終える予定だったが延長され、終了時期は公表されないままだ。
食料が配給制になり、設備が壊れたままになっているといった艦内の状況は、すでに広く知られている。だがピート・ヘグセス国防長官はこうした証言を「またもフェイクニュースだ」と切り捨ててきた。8月13日にも改めて、報道は艦内の状況を「完全に誤って伝えている」と述べている。海軍はフォーブスの取材に回答していない。
ドナルド・トランプ大統領も8月14日、乗組員のメンタルヘルスをめぐって報じられている懸念を退け、展開について「まったく長さが足りない」と語っている。



