30年持ち続けられるなら、何もしない選択もある
では、投資家は実際に何をすればよいのか。指数を手放して選ぶ代わりの方法は、たいていもっと悪い結果に終わるというのに。
正直な答えの1つ目は、何もしなくてよい可能性があるというものだ。投資期間が本当に30年あり、下落局面でも売らないと言い切れるならばだ。集中リスクは実在する。ただし恒久的に資産を失うリスクではなく、成績の振るわない10年を過ごすリスクであり、時価総額加重の指数はこれより悪い局面も生き延びてきた。1999年に、テクノロジー株へ偏りすぎているとして指数投資をやめた人たちは、偏りを指摘した点では正しく、指数投資をやめた点では間違っていた。
均等加重と米国外株なら、分散は名ばかりで終わらない
2つ目の答えは、投資期間がより短い人や、成績の伸びない10年に耐える力が乏しい人に向く。分散を名ばかりのものから、値動きの上でも意味のあるものへ変えることだ。500社すべてを同じ比重で持つ均等加重型の指数は、集中への懸念をそのまま形にした手段として、広く使われるようになった。仕組みは名前どおりで、500社を均等に割った0.2%ずつへ各銘柄を抑え、四半期ごとの調整でその比重へ戻す。代わりに差し出すものも、はっきりしている。ここ数年の成績を牽引してきたモメンタム効果を手放し、規模が小さく景気変動を受けやすい企業へ比重が寄る状態を受け入れ、手数料と売買回転で費用をわずかに多く払う。ただではない。過去5年間の大半では、負けの取引でもあった。そして均等加重型は、愚かな判断に見え続けたあげく、ある日を境に賢明な判断へ変わる。まさにその類いの選択でもある。
3つ目の答えは海外へ向かうことであり、米国の投資家が最も強く抵抗する選択肢でもある。米国以外の先進国市場では、利益に対する株価の倍率がはっきり低い水準にあり、業種構成もまったく異なり、米国市場を押し上げている一握りの企業に業績を左右されてもいない。海外への配分を永遠に報われない誤りだと感じさせてきた成績差は、かなり縮まった。株式資産の20~30%を米国外へ置くことは、風変わりな行動ではない。米国株が優位に立ったわずか10年間が、海外への配分など不要だと誰もに信じ込ませるまで、数十年にわたり標準的な助言だった。
集中は永続せず、値上がりの広がりは予告なく訪れる
4つ目は、単に市場を見ることだ。値上がりに参加する銘柄の広がりは、一様に狭いまま推移してきたわけではなく、実際にはむらがある。参加する銘柄が目に見えて増えた時期も現れている。集中は永続する状態ではなく、裾野が広がる局面は予告なしに訪れる。
ここまでの話は、指数が危険だとか、指数投資が機能しなくなったという主張ではない。手を加えない受け身の商品でも、結果として能動的な賭けを抱え込むことがある。抱え込んでいないふりをしても、賭けそのものは消えない。互いに連動するテクノロジー企業7社へ、株式資金の3分の1を自分の判断で投じるつもりがないなら、少なくとも、すでに投じ終えている事実だけは知っておくべきだ。


