キャリア

2026.08.28 16:30

燃え尽きを招く「勤務時間外の対応」から抜け出し私生活を守る方法

stock.adobe.com

「常時対応」がキャリアの見通しに与える影響

仕事が絶えず私生活に入り込んでくるというのは、夕方や週末の時間だけでなく、それ以上の影響を及ぼす可能性がある。学術誌『Humanities and Social Sciences Communications』に2026年に掲載された労働者3753人を対象とした研究では、仕事と余暇のアンバランスは仕事への不満の高さと関連していることが明らかになった。結果としてその不満はキャリア形成の見通しが限られていると感じやすいこととも関連していた。

advertisement

この傾向は専門職、技術職、管理職の労働者で特に顕著だった。慢性的に仕事がプライベートに入り込んでくることは「リソース喪失の悪循環」の一環だと説明しており、継続的な要求は仕事への不満や将来のキャリア見通しに対するより否定的な見方につながると研究者らは指摘している。

「常時対応」がワークライフバランスを蝕む仕組み

常時対応が心身を回復させるための時間を奪い始めると、その弊害は無視できないものになる。調査では労働者の40%がワークライフバランスが悪化したと答え、38%はストレスが増えたとした。また、32%はバーンアウト(燃え尽き症候群)がひどくなったと答えている。4分の3近くが休暇中にも仕事の連絡を確認していると回答した。

学術誌『Frontiers in Psychology』に2026年に掲載されたシステマティックレビューでも17件の研究を通じて同様の傾向が確認された。長時間、仕事で常時対応が求められる状況は概して仕事と家庭の不均衡やストレス、バーンアウトの増加、精神面のウェルビーイングの低下など、健康状態の悪化と関連していた。研究者らは常時対応について、回復を妨げ、仕事と私生活との境界を曖昧にしかねない「絶え間なく境界を越えてくる要求」だと説明している。

advertisement

仕事とプライベートの完全な切り離しを恐れる理由

常時対応による見返りが不確実だからといって、常に連絡が取れる状態を維持しなければならないというプレッシャーが消えるわけではない。Software Finderの調査では、半数近くの労働者が勤務時間外の連絡に関して境界線を設けることがキャリアに悪影響を及ぼすのではないかと心配しており、そのうち11%は頻繁にそのことを心配していると答えている。

これは、なぜこれほど多くの従業員が勤務時間が終わってからもずっとメッセージに返信し続けているのかを説明するものでもある。反応の速さや連絡のつきやすさが暗黙のうちに評価される企業文化においては特に迅速な対応が仕事への献身度を判断する基準の一部になっている。常時対応がいったん当たり前になると、返信しないことが期待に応えていないかのように感じられ始める。

次ページ > キャリアアップに必要なのは常時対応以上のもの

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事