個人の抱く「志向(アスピレーション)」に関する関連研究も、同じ方向性を示している。学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された2022年の研究によると、成長や他者との結びつきといった「内発的目標」は、富や地位、イメージといった「外発的目標」よりも、確実に幸福感に結びついていることが判明した。外発的な目標が生活の全体を支配してしまうと、その悪影響はより顕著になる。
これは大志を抱くことを否定するものではない。目標は注意を集中させ、努力を積み重ねるために必要なものであり、それを諦めるべきだという意味ではないのだ。
約200の縦断的研究を統合した、2012年の『Journal of Personality and Social Psychology』誌の研究によると、人々がどれだけ環境に適応するかは、それがどのような出来事であるか、また、日々の気分を測定するのか、それとも人生全体の満足度を測定するのかによって大きく異なることがわかっている。目標の達成に価値がないわけではない。ただ、多くの人が期待している「幸福感」を確実に提供してくれる手段としては、信頼性に欠けるというだけだ。
幸福の先送りがまだ続いていることを示す兆候は、「その時」という言葉だ。「これが軌道に乗ったら、その時にリラックスしよう」「あの目標額に達したら、その時に楽しもう」。しかし、何年経っても、その「その時」に到達することは滅多にない。なぜなら、その基準は常に移動していくからだ。
この新しい習慣は、最後にすべてを精算するのではなく、毎週「口座を決済する」ことによって、その先送りの連鎖を断ち切る。
抱いている大志には何の変化もない。変わるのは、あなたの人生がすでに生み出している幸福を、回収し損ねることがなくなるという点だけだ。


