こんな場面を想像してほしい。ようやくビーチに到着した。スーツケースの荷ほどきを終え、傘付きのカクテルも運ばれてきた。休暇気分にすっかり浸る前に、多くのペットオーナーがすることをあなたもする。スマートフォンを取り出し、自宅で愛犬を見てくれている友人や家族、ドッグシッターにFaceTimeをかけるのだ。
愛犬はあなたの声を聞き、首をかしげ、玄関に走り寄るかもしれない。そんな可愛らしい仕草に、あなたは安心感を覚えるだろう。
しかし獣医師によれば、画面越しの再会は、あなたにとってほど愛犬にとって心安らぐものではない可能性がある。
この助言は、ペットを飼う人たちの間で、毛むくじゃらの家族を家に残して出かけることへの不安が高まる中で示されたものだ。ペットシッティングプラットフォームのTrustedHousesittersが共有したデータによると、過去3カ月で「pet separation anxiety(ペットの分離不安)」のGoogle検索数が482%急増した。同社はまた、ペットオーナーの61%が自分の休暇を楽しむことよりもペットの健康状態を心配しており、ほぼ半数(48%)が旅行中にペットとFaceTimeをしたことがあると回答したことも明らかにしている。
休暇中に愛犬とFaceTimeすることが逆効果になり得る理由
スマートフォンのスピーカーからあなたの声を聞いた愛犬が、家の中を必死に探し回るのを見たことがあるなら、その行動には科学的な理由がある。
「The Net Vet」として知られる獣医師のアレックス・クロウ博士によれば、犬は人間と同じように世界を経験しているわけではない。犬は嗅覚、ボディランゲージ、そして物理的な存在に大きく依存している。飼い主の声が聞こえる一方で、匂いや視覚的手がかりが伴わない状況は、クロウが「感覚の不一致」と呼ぶものを生み出す。
言い換えれば、愛犬はあなたの声を認識し、あなたが現れることを期待するのだ。
「脳内では、これが解消されない期待の一形態を引き起こします」とクロウは説明する。「犬は声を認識し、再会を予期します。しかしそれが起きないと、混乱やいら立ちにつながるのです」
ビデオ通話はペットを落ち着かせるどころか、ペットシッターや家族との生活に慣れつつある流れを実際には中断してしまう可能性がある。
FaceTimeであなたの声を聞いた後、愛犬が見せる行動
クロウによると、その混乱はしばしば特徴的な行動として表れる。犬は飼い主を探し始め、ドアへ走ったり、家具の後ろをのぞいたりすることがある。また警戒心が高まり、クンクン鳴く、吠える、歩き回るといった行動が増えることもある。
「それは事実上、分離に対する反応をリセットし、飼い主がいないことを犬に思い出させ、新たな不安を引き起こす可能性があります」とクロウは言う。
猫は? おそらく感心していない
もし相手が猫なら、その反応、あるいは反応のなさは、まったく異なるものになるかもしれない。
「猫は音よりも、匂いや環境への慣れにより大きく依存しています」とクロウは言う。「画面は、動きが獲物を追う本能を刺激しない限り、意味のあるものとして認識されません。だからほとんどの猫はFaceTime通話を完全に無視するのです」
つまり、犬はあなたの画面越しの登場に感情的に反応するかもしれない一方で、猫は画面をちらりと見た後、昼寝に戻る可能性の方が高い。
愛犬とFaceTimeする代わりにすべきこと
ビデオで様子を確認することが役に立たないのなら、よりよい選択肢は何だろうか。
獣医師たちは、あなたの声を聞かせることよりも、一貫性の方がはるかに重要だと指摘する。
「最も重要なのは、落ち着いた予測可能な環境です」とクロウは言う。「経験豊富なシッターはケアの継続性と慣れた日課を提供します。それはペットにとって、画面越しのやり取りよりもはるかに意味があります」
だからといって、休暇中ずっと愛犬の様子を気にし続けなければならないわけではない。
ビデオチャットの代わりに、シッターに写真や動画で定期的に近況を送ってもらうとよい。裏庭で楽しそうに遊んでいる姿や、ソファでうたた寝している愛犬の様子を見ることは、犬を混乱させることなく、あなたに安心感をもたらしてくれる。



