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2026.08.16 10:49

一流の経営幹部はなぜ「未来の自分」に先回りして備えるのか

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橋は、今日その上を通る重量だけを想定して設計されることはない。技術者は、まだその橋が支えたことのない将来の交通量、まだ耐えたことのない気象条件、経年劣化する材料、そして複数の圧力が同時に訪れるまれな瞬間まで考慮する。橋は通常の負荷を超える状況に耐えることが求められるため、その余力が必要になるずっと前から、追加の能力が組み込まれている。

人間が自分自身に対して、同じ先見性をもって向き合うことはめったにない。

経営幹部は、今日率いている企業に対して十分な強さを備えていると感じているかもしれない。出張、深夜までの仕事、プレッシャーや期待に対応し、リスクが高まるなかでも明晰な判断を下すことができる。現在のコンディションは、現在の野心の水準を支えるには十分に見える。

しかし、今日の仕事量は、将来その人が背負うことになる負荷を測るには不完全な指標である。

成功は経営幹部の生理的コストを高める

経営幹部としてのリーダーシップは、何千人もの人々に大きな影響を与えられるという、非常に大きな意味をもたらす。同時に、成功を重ねるたびに期待が高まり、それに伴う責任も増すため、大きなプレッシャーも伴う。

5億ドル(約795億円)規模の買収案件を主導し、成約に導いたCEO(最高経営責任者)は、6カ月前に経営していたのとは異なる組織構造へと足を踏み入れることになる。

今や、その人の判断を通じて流れる資本は増え、より多くの人々がその判断に依存している。かつては一握りの顧客に影響するだけだった失策が、今では株主、従業員とその家族、市場、そして一般社会にまで影響を及ぼす。一般社会は、最も容赦のない存在になり得る。

最も優れたCEOや上級経営幹部でさえ、リーダーシップが心身に及ぼす負荷を経験する。企業が成長するにつれて、それを導くリーダーも成長しなければならない。経営幹部は、自らの予備能力が拡大する責任に追いついているかどうかを立ち止まって評価すべきである。

睡眠スケジュール、トレーニング習慣、回復のルーティン。その多くは今なお、より以前の、より小さな企業(そして自分自身)の規模に合わせて調整されたままである。

健康は経営幹部にとってリスク管理の一形態である

リスクにはリターンが伴う、という格言がある。あらゆる企業はこれを理解しており、大きな勝利を得るために、危険、不確実性、計算されたリスクに向き合っている。企業は潜在的な落とし穴を追跡し、それにどう対処するかを計画することで、この原則に基づいて行動している。要するに、確率を読むのである。

ところが、自らの生物学的な状態となると、経営幹部が同じ発想を適用することはめったにない。これらのリスクは同じように現実的であり、場合によってはさらに予測可能であるにもかかわらずだ。

経営幹部にとって、健康は単なる個人的な習慣や義務以上のものだ。それは企業リスクの一分野となり、取締役会の議題にすでに上がっているリスクと何ら変わらない。以下に、経営幹部が直面する主なリスクを包含する4つのカテゴリーを示す。

1. 経営幹部にとって避けられないリスク

加齢、回復力の低下、ホルモンレベルの変化、筋肉量や骨密度の緩やかな低下は、介入しない限り自然に起こる。リーダーは、筋力、有酸素能力、代謝の健康、感情面に注力することで、より効果的なリーダーシップを発揮できる期間を延ばすことができる。

2. 経営幹部にとって予測不能なリスク

病気、けが、予期せぬ家族の緊急事態、経済的ショック、訴訟、突然のリーダーシップ危機など、どれが最初に、いつ訪れるかを知ることのできる経営幹部はいない。しかし、その瞬間が訪れたときの自分のコンディションと生物学的状態は、コントロールできる。

3. 経営幹部が自ら生み出すリスク

この種のリスクは、勝利の副産物として自ら作り出される。より大きな会社、より多くの従業員、より多くの出張、より高い注目度、そして一段と高まる利害。それらはすべて進歩の証しであり、同時に生理的(そして心理的)な請求額を押し上げる。

企業の次の段階を築くことのできる経営幹部には、現在の段階を築いた人物よりも意味のあるかたちで大きな能力が必要になる。だからこそ、身体的な準備はスケーリングのプロセスの一部となる。

4. 経営幹部にとって蓄積するリスク

脅威の中には、大きく明白なものもあれば、微細で静かなものもある。このリスクはとりわけ陰湿で、何年にもわたる睡眠不足、管理されない慢性的ストレス、不十分な回復の中に潜んでいる。経営幹部は、明らかな悪影響が出ていないことを、自分のシステムが機能している証拠だと誤解するかもしれない。しかし実際には、今日のパフォーマンスはしばしば、明日の衰えから借りているものなのである。

経営幹部は危機が来る前に余力を築く

上記4つのリスクはいずれも、技術者が不確実な未来に備えるのと同じ方法で解決される。負荷がそれを要求する前に、能力を組み込んでおくのである。

筋力トレーニングは、経営幹部により大きな身体的余裕をもたらし、ハイレベルなリーダーシップによる摩耗や消耗から身を守る緩衝材となる。有酸素運動は心血管系を強化し、認知能力と持久力を高める。

一貫して質の高い睡眠を取ることは、リーダーの判断力、気質、感情調整を守る。徹底された安定的なルーティンは、避けられない予期せぬ出来事が起きたときの意思決定疲れを減らし、本当に重要な選択のための能力を温存する。

これらのいずれも、抜本的な改革を必要とするものではない。解決策は、これらの要素を、時間があるときに取り組む任意の習慣ではなく、不可欠なインフラとして扱うことから始まる。

橋は、ひび割れが始まってから補強されることはない。補強は、ひびが1つも見えず、構造物が現在の荷重に耐えられるように見える段階で、何年も前に行われる。経営幹部にも同じ選択が目の前にある。今日、余力を築く経営幹部こそが、より重い負荷がついに訪れたときにも、なお最適に考え、成果を出し続けるのである。

forbes.com 原文

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