調査でも現場でも、あるパターンが繰り返し浮かび上がっている。それは、世界各地のあらゆる業界の顧客から私が聞いていることを裏付けるものだ。オーストラリアとシンガポールのデータリーダーを対象にした最近の調査レポートによると、組織の97%がデータプロダクトを提供している一方で、構造化され、反復可能なプログラムを通じて提供している組織は25%にとどまる。1北米や欧州のデータリーダーとの対話でも、同じ話を耳にする。データに関する野心と実装との隔たりは、多くの取締役会が認識している以上に大きい。
同調査における残りの75%は、断片化された組み合わせの中でアドホック(場当たり的)に運用している。多くの場合、データチームの能力の最大半分が、再利用も共有もされない単発作業に費やされており、本来であれば価値が複利的に高まるAI施策に使えるはずの能力が失われている。
新しいデータおよび分析プロジェクトでは、データが存在すれば、それは整合し、正確であると想定されがちだ。通常、議論の焦点は機能やダッシュボードに向かい、成功を実際に左右する問いは後回しにされる。すなわち、このソリューションを信頼する前に、私のデータには何が求められるのか。そして、いったん信頼できるようになった後、その新たな成果物と整合した状態をどう維持するのか、という問いである。
AIをスケールさせる組織と、四半期ごとに同じデータセットを作り直し続ける組織を分けるのが、次の5つの要件だ。
1- 作成時に組み込まれるコンテキストとガバナンス、後から点検するものではない
AIで迅速に動き、ガバナンスは後で考えるという直感は、ほぼ常に裏目に出る。プロジェクトの開始時に、ビジネス情報を取得・収集し、企業全体のデータ標準を論理モデルに組み込むべきだ。これは1カ月がかりのプロジェクトである必要はない。今日のAIを活用したデータモデリングソリューションでは、迅速かつ効率的に実行できる。論理表現にメタデータを組み合わせれば、取得すべきデータの一覧が得られる。論理情報に物理メタデータとガバナンス(用語、ポリシー、ビジネスルール)を組み合わせることで、オントロジー(概念体系)が形成される。これは、LLM(大規模言語モデル)、AIモデル、エージェントが必要とするコンテキストを生み出す。
正式で構造化されたプログラムを持つ組織でさえ、ここで苦戦している。設計とモデリングの遅れは依然として主要なボトルネックであり、構造化された運用を行う組織の45%がこれを挙げている。同じギャップは、より広範なAIレベルでも見られる。IDCの別の調査では、組織の78%がAIを完全に信頼していると主張する一方で、その信頼を正当化するためのガバナンスや安全対策に投資している組織は40%にとどまることが分かった。2
2- 既存のものを自動検出する仕組み
チームが同じデータプロダクトや資産の並行バージョンを知らずに構築してしまう「要件の相違」は、アドホックに運用する組織における重複の最大要因であり、74%に上る。誰かが構築する前に、類似する既存プロダクトを検知できないプラットフォームは、間違った問題を解いている。解決策は、再作成の前に再利用可能な資産を表面化させる能動的な検出である。
データプロダクトに関する協業は、その品質を高める。「評価、貢献スレッド、拡張、アップグレード」といったソーシャルな協業は、再利用の中でデータプロダクトを活性化し続ける。Amazonのようになじみのあるフォーラムで、探し、共有し、比較できることが、ユーザーを引き戻す。
3- 恣意的ではなく、説明可能な信頼シグナル
他者のデータを再利用するよりも作り直したいとチームが考える「信頼または品質の問題」は、構造化された運用を行う組織における重複作業の最大要因であり、71%が挙げている。曖昧な「承認済み」ラベルでは、この問題は解決しない。解決するのは、透明で説明可能なスコアリングの枠組みであり、アナリストが元の所有者を探し出さなくても適合性を判断できるようにするものだ。AIへの信頼に関するIDCの調査でも、企業レベルで同じ不整合が確認されている。北米の組織の47%で、自社AIへの信頼度と、そのAIが実際にどれほど信頼に足るかとの間にギャップがある。2
4- 組織のサイロを越えた発見可能性
誰にも見つけられないデータプロダクトは、どれほど優れた作りであっても、機能的には単発の成果物である。既存のデータ資産に対する認知不足は、あらゆる提供モデルにおいて回答者のおよそ半数が挙げており、Omdiaも北米で47%という数字を独自に確認している。3これは、発見可能性が、組織が成熟すれば自然に克服できる問題ではないことを示している。必要なのは、既存のデータプロダクトを、それを構築したチーム内だけでなく、チームを越えて可視化する共有の発見レイヤーである。
5- ボトルネックを取り除くAI融合型の機能
組織が構造化された提供を避ける最も一般的な理由は、それがボトルネックを生み、その労力が利点を上回るからである。ガバナンスはスピードに対する税金と見なされている。しかし、説明可能性とコンプライアンスは依然として譲れない。データへの信頼は、透明性とビジネスとの整合性を通じてしか生み出せない。スピードと信頼の二者択一は、本来必要ない。必要なのはその両方である。
AIは、技術部門とビジネス部門の役割や責任の境界線を融合しつつある。ソフトウェアソリューションもそれに追随する必要があり、だからこそデータ管理プラットフォームが増えている。データリネージ(データの由来と流れの追跡)、ビジネス用語集、データ品質、MDM(マスターデータ管理)、そしてもちろんカタログといった機能について、断片化されたポイント製品ソリューションの時代は終わった。これらは今や、データ管理プラットフォームにおける基礎的なコモディティ機能である。
今日、ベンダーはAIを使い、あるグループがモデリングを行い、別のグループがカタログ化し、さらに別のグループがデータガバナンスを担うという形ではなく、機能を融合させている。技術ユーザーとビジネスユーザーの役割の境界が曖昧になり始めているのと同じように、これらの機能も融合できる。2026年になってもスピードと信頼がトレードオフとして提示されるなら、それは本質的な限界ではなく、未成熟なソリューションの兆候である。
評価にあたっての視点
私にとって、この5つの要件は抽象論ではない。これは私が日々向き合っているアーキテクチャを表している。自動モデリング、信頼スコアリング、コンテキスト生成、AIによる機能融合が、個別の購買対象としてではなく連携して機能するアーキテクチャであり、データプロダクト提供のための単一の統合ソリューションであるQuest Trusted Data Management Platformの設計原則でもある。
この枠組みをベンダーに持ち込む前に、まず自社チームに持ち込むべきだ。5つのうち、社内ですでに失敗しているものはどれかを問う。その答えが、必要なのがプラットフォームの変更なのか、プロセスの変更なのかを教えてくれる。
そのうえで、ベンダーには語らせるのではなく、実演させるべきだ。データプロダクトをその場で作成し、リネージが自動的に表示されるかを見る。重複を作る前に既存資産を検索する。そして、信頼スコアが電話確認なしに意味を持つかどうかを、セールスエンジニアではなくアナリストに尋ねる。
チームがまだアドホックに動いているなら、検出と発見可能性から始めるべきだ。これらは最も早く複利的な効果を生む。すでに構造化されたプログラムを運用しているなら、ガバナンスと説明可能性がより重要になる。
IDCのData Intelligence and Integration Software Service担当バイスプレジデントであるStewart Bond氏は、ビジネス上の根拠を端的にこう表現している。「リアルタイムで、ガバナンスが効き、文脈化されたデータプロダクトを提供することで、統合型データ管理プラットフォームは、組織がより高いレベルのイノベーション、価値創出までの時間短縮、財務ビジネスKPIの改善を享受することに貢献し得る」
ベンダーの機能リストから始めてはならない。その場で正直に答えを得られないことから始めるべきである。



