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2026.08.19 11:30

最安AIモデルの価格「14倍」で投入、中国DeepSeekの最新版V4 Proが示すものとは?

Mojahid Mottakin - stock.adobe.com

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AIは安くなりすぎており、AIインフラへ注ぎ込まれる巨額資金はもう見合わない。2026年8月までの18カ月間、市場がこの読み筋を支える証拠として最も好んで持ち出したのがDeepSeek(ディープシーク)だった。同社は8月13日、新たな旗艦モデルとなるV4 Proを投入した。価格はピーク時間帯で、入力100万トークンあたり1.32ドル(約210円)、出力100万トークンあたり3.96ドル(約630円)だ。比較対象となる低価格帯のV4 Flashは、改定前の一律料金で入力が0.14ドル(約22円)、出力が0.28ドル(約45円)だった。ほぼ無料で知能を配って名を上げた企業が、最高性能モデルには自ら敷いた最低価格の最大14倍を課している。

安いAIを恐れよと投資家に教え込んだ研究所が、現在は知能を割高な価格で売っている。最先端の知能もいずれ無料同然になる。DeepSeekを見た市場がそう受け止めた読み筋を最も強く裏切ったのは、DeepSeek自身が公開する価格表だった。

価格を最大14倍に上げ、性能は格安V4 Flashとほぼ互角

V4 Proは高価格帯を狙う製品だ。DeepSeekは、ソフトウェアが自ら計画を立てて作業を進めるエージェント機能が大幅に向上したと説明する。API、アプリ版、ウェブ版を通じて、新たな旗艦モデルとして提供する。

V4 Flashより最大14倍高い代金に見合う中身は、価格差が示すほど大きくない。それを示すのが、AIモデルの実力を独立した立場で採点する調査会社アーティフィシャル・アナリシスの数字だ。同社は、エージェント業務、ツール利用、コーディング、科学的推論、長文脈処理など9件の試験結果を合成し、インテリジェンス指数として1つの点数にまとめている。この指数でV4 Proは53点を記録した。ほぼ無料で提供する自社のV4 Flashが52点だから、差はわずか1点にすぎない。現時点の最高点は、アンソロピックのClaude Opus 5が付けた63点で、V4 Proはそこに10点届かない。

仕事量あたりで見れば、DeepSeekは依然として安い。改定前の料金で計算すると、ベンチマーク課題を1件仕上げる費用はV4 Proが約0.06ドル(約9.5円)、Claude Opus 5が2.34ドル(約372円)となる。最大14倍の値上げを経ても、DeepSeekは欧米勢に並ぶ価格水準には遠く及ばない。

欧米勢との比較を離れ、DeepSeekの価格表だけを見てみる。そこには、入力0.14ドル・出力0.28ドルのV4 Flashと、入力1.32ドル・出力3.96ドルのV4 Proが並ぶ。性能が1点上がるために、代金は入力で9倍、出力で14倍に跳ね上がる。よい性能を出すには計算資源を多く食い、そのぶん高く売らねばならない。DeepSeekが2025年に覆したと見なされたのは、まさにこの関係だった。それが自社の値付けにそのまま戻っている。最先端の能力をほぼ無料で出せる。その評判の上に築かれた企業が、自社の採算がかかる場面では、そうはならないと判断した。

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