リーダーシップ

2026.08.16 00:09

なぜ優秀な人ほど「もっとやる」の罠から抜け出せないのか

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多くのリーダーが学校で学び、その後すぐに自分自身に適用することを忘れてしまった経済原則がある。それは「収穫逓減の法則」と呼ばれるもので、私の知る最も才能にあふれ、寛大で、野心的な人々の人生を動かしている(ここで「動かしている(running)」を「台無しにしている(ruining)」と読み違えた人もいるのではないだろうか)。

この原則は次のように作用する。ある農家が、もっと収入を増やしたいと考えたとしよう。彼女は隣の土地を借りる。一見、合理的な判断に思える。しかし、そこで働く人を増やさず、種も買い足さず、生産拡大を支えるインフラにも投資しなければ、その新しい土地からは何も生まれない。彼女は農場を拡大したのではない。単に、より広い場所に自分自身を薄く引き伸ばしただけなのだ。

これは持続可能な農業についての話ではない。業績の低下や新しい役割、あるいはストレッチゴール(野心的な目標)に直面した際、これまでに自分を成功に導いてくれた行動をさらに増やすことで対処しようとする、すべての優秀なリーダーに対する緊急の警告である。会議を増やす。露出を増やす。労働時間を増やす。マインドフルネスさえも増やす。

その本能は理解できるものであり、より多く行うことを促し、それに報いる強固なインフラが存在することを考えれば、合理的でさえある。私たちは幼い頃から、足し算を進歩と同一視するよう訓練されている。高い評価を得るのは、より多くを行い、より多くを引き受け、より多く顔を出す人々だ。特に女性や、正当に評価されにくい人々は、対等な評価や報酬を得ようとして過剰に努力しがちである。

しかし、収穫逓減の法則はそうした事情を一切考慮しない。単一の次元への投資は、どれほど価値があるものであっても、最終的には頭打ちになるという事実を示すだけだ。そして、効果のない努力のコストが積み重なり始める。

リーダーが自分に言い聞かせる神話

私が「系統的引き算(Systematic Subtraction™)」という考え方を紹介するとき、最もよく受ける反論は、「やることが多すぎて、これ以上減らすなんて到底無理だ」というものだ。私はこの異論を真摯に受け止めている。なぜなら、それが間違ってはいないからだ。確かにやるべきことは山積みだ。ペースは容赦なく、成否の影響は現実的であり、要求されることも想像上のものではない。

しかし、この反論が何を前提にしているかに注目してほしい。足すことだけが唯一の手段だ、という前提である。インプットを増やせば必ずアウトプットが増えるという前提である。農家にとっての最善の選択肢は常に土地を借り増すことだという前提である。

研究はこの前提を支持していない。高いパフォーマンスを誇る組織や個人に共通しているのは、活動の量が多いことではない。自分たちが選択した活動と、その活動がもたらすべき成果との間のアライメント(整合性)がより緊密であることだ。「ゆっくりは滑らか、滑らかは速い(Slow is smooth. Smooth is fast.)」。この滑らかさは、アライメントから生まれる。

ウォートン・スクールの組織心理学者アダム・グラントは、その研究において、ギバー(他者を助けることを最も重視する人)は業績のトップ層とボトム層の両方に極端に多く存在し、その違いをもたらす変数はたった1つであることを突き止めた。それは、他者に与える際に自分のリソースを保護しているか、それとも枯渇させているか、という点だ。

「ストップ」:リトリートではなく、データ収集の実践

私が提唱する「系統的引き算」の第一ステップは「ストップ(Stop:立ち止まる)」と呼ばれるが、これはほぼ例外なく誤解されている。これは瞑想のリトリートやサバティカル(長期休暇)、デジタルデトックスのことではない。電話会議に参加する前の10秒間、あるいは週の始まりの10分間、現実を直視して一時停止することであり、物事が実際にどのように進んでいるかに関するデータを集めるために設計されている。

私がリーダーに投げかける質問は、一見単純である。「実際のところ、どう進んでいるのか?」。「こうあってほしい」という期待ではない。人事評価や売上トラッカーでどう見えているかでもない。あなたの身体、人間関係、成果、エネルギーにおいて、事態は実際にどのように推移しているだろうか。

データは常に、すでにそこにある。特定の定例会議の前になると現れる腹痛。緩やかではあるが確実に失われていった顧客の関与と熱意。期待通りに進まなかった評価サイクル。

私たちに不足しているのは、情報ではない。その情報を読み取るために十分な時間立ち止まる習慣と、そこで見つかった事実には対処する価値があるという極めて重要な信念が欠けているのだ。

「ドロップ」:禁止令ではなく、実験

データが得られたら、次のステップは何かを手放す実験をすることだ。私は「実験」という言葉を強調したい。なぜなら、ここで大半の人が、行き過ぎる(劇的な決意のもとにカレンダーの予定をすべて吹き飛ばす)か、あるいは及び腰になる(リスクが高すぎると感じたり、単に惰性に流されたりして何も変えない)かのどちらかになるからだ。

「ドロップ(Drop:手放す)」とは仮説である。データが、あまり成果を上げていないと示唆している定例会議について考えてみよう。それを完全に中止してしまう前に、こう考えてみてほしい。「1回スキップしたら、実際に何が起こるだろうか?」。何かが破綻するだろうか。誰かが気づくだろうか。それとも、集中作業のための45分が手に入り、AIが生成した議事録に必要な情報がすべて記録されていたと気づくだろうか。

もちろん、逆の結果になることもある。本題に入る前の2、3分の雑談こそが、将来一緒に働きたいと思っている同僚との最も優れた関係構築の場だったと気づくかもしれない。45分間の会議自体は無駄に思えたが、会議前の雑談には価値があったのだ。これは重要なデータである。その場合は会議を残し、自分にとっての真の目的に適う形で参加すればよい。

「ロール」:真のリターンが現れる場所

「ロール(Roll:波及させる)」は、引き算が単に「行うことを減らす」段階から「より良く行う」段階へと移行する場所である。また、効率化のためのフレームワークの多くが手前で立ち止まってしまう場所でもあり、だからこそ、予定を整理しようとする善意の努力の多くが、最終的に再び予定で埋め尽くされてしまうのだ。

「ロール」における実践とは、点と点をつなぐことだ。何かを手放したときに何が起こったかに注目し、その波及効果を意図的に追跡する。例えば、物流マネージャーがチームの個別面談を「歩きながらの面談(ウォーク・アンド・トーク)」に変えたとする。彼は単に会議の時間を回収しているだけではない。能動的なリーダーシップの模範を示し、1日の中に運動を取り入れ、チームに異なる対話の文脈を提供している。そして、読まれることのない新たな社内メモを送ることなく、効率性とウェルビーイングの双方を重視しているというサインを送っているのだ。

1つの引き算。複数のリターン。

これこそが、高い成果を上げる人々にとって、すべてを一変させる再定義(リフレーム)である。引き算の目的は、行うことを減らすことではない。自分の活動がもたらす効果を「増やす」ことなのだ。神経科学的な現実として、真の意味でのマルチタスクは存在しない。脳はタスク間を切り替えているだけであり、その切り替えのたびに2〜7分の回復コストがかかる。

しかし、活動が真に調和しているとき、つまり1回の会議があなたの成長、人間関係、そしてチームの育成に同時に役立っているとき、仕事そのものが相乗効果を生み出す。あなたがマルチタスクをしているのではない。あなたの努力がそうしているのだ。

より困難な問い

収穫逓減の法則は、努力を否定するものではない。否定するのは、分散されていない努力、すなわち「同じことを増やせば、同じ成果が生まれ続ける」という前提だ。ある時点で、すべての農家は土地を借りるのをやめ、異なる投資を始めなければならない。

私が最も尊敬するリーダーたちは、通常、少なくとも1回は高くつく教訓を経た上で、真剣に向き合うべき問いは「ほかに何を付け足せるか?」ではないことを学んでいる。それは「リターンを生み出すのをやめてしまったのに、自分が今もなお続けていることは何か?」という問いである。

立ち止まって見つめ直すだけの時間を取れば、その答えは、それが引き起こしてきた問題よりも、ほぼ常にシンプルなものなのだ。

forbes.com 原文

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