欧州

2026.08.16 10:00

トルコがウクライナにATACMSやクラスター弾の供与を計画 イランはロシアに学びシャヘド改修

トルコのエルドアン大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領。2026年4月4日、イスタンブール(UR Presidency / Murat Kula/Anadolu via Getty Images)

トルコのエルドアン大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領。2026年4月4日、イスタンブール(UR Presidency / Murat Kula/Anadolu via Getty Images)

トルコからウクライナへの米国製M270多連装ロケットシステム(MLRS)や、それに付随するM39 ATACMS弾道ミサイルの移転について、米国は承認する準備をしている。一方、イランはロシアの対ウクライナ戦争の戦訓を直接取り入れるかたちで、シャヘド徘徊型弾薬の派生型を改良したと報じられている。ロシア・ウクライナ戦争の双方への武器供給において、中東諸国が果たしている役割をあらためて思い起こさせる動きだ。

ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を始める前から、そして始めたあとも、トルコとイランはそれぞれウクライナとロシアに武器を供給してきた。ロシアによる全面戦争の開始から4年半近くがたとうとしている現在も、中東の2国がそれをやめようとする気配はほとんどない。

米議会に8月6日付で提出された通知によると、米政府はトルコに対し、MLRS発射機12基やATACMS70発をウクライナへ「再移転」するのに必要な承認を与える用意がある。総額2億5600万ドル(約408億円)の今回の取引案にはほかに、DPICMクラスター弾頭を搭載したM26無誘導ロケット弾2524発と、M509A1 203mm DPICM砲弾4万7000発も含まれている。

トルコはこれらの兵器を数十年備蓄してきたが、装備の近代化を進めるのに伴い売却処分したいと考えている。実現すれば、ウクライナにとっては、ロシアとの過酷な消耗戦で火力を増強する一助になるだろう。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は11日、この取引について、クラスター弾頭が含まれていることを理由に厳しく批判した。クラスター弾は「本質的に無差別」だとし、「旧式」で「精度が低く、信頼性に欠ける」兵器だと指摘した。HRWは米議会に対して「近視眼的で危険な移転」を阻止するよう求めている。

ここで想起すべき事実は、ウクライナが2023年にトルコ製M483A1クラスター弾を少なくとも18回受け取っていたことだ。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の兵器移転データベースによると、トルコはこのほか、2022年に自国開発のT-300多連装ロケットシステム6基、2022~2024年にキルピ装甲兵員輸送車(APC)200両、2023年にコブラ2装甲兵員輸送車50両をウクライナに供与している。

次ページ > イランはシャヘド派生型に殺傷性を高める改修か

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事