リーダーシップ

2026.08.15 15:31

職場で自律心とレジリエンスを養う20の効果的な方法

stock.adobe.com

stock.adobe.com

絶え間ない通知、目まぐるしく変わる優先順位、そして増大する職場からの要求により、従業員が圧倒されることなく集中力を維持することは、かつてないほど困難になっている。同時に、バーンアウト(燃え尽き症候群)の発生率上昇を受け、企業は持続可能なパフォーマンスの真のあり方や、それを長期的に支援する方法を再考せざるを得なくなっている。

現代の職場でレジリエンス(回復力)を築くとは、一貫して健全なパフォーマンスを可能にする習慣、境界線、そしてマインドセットを養うことにほかならない。そのために、フォーブス人事評議会(Forbes Human Resources Council)のメンバー20人が、デジタルな誘惑が多い時代に従業員が長期的に集中し、成功を収めるための実践的な戦略をそれぞれ紹介する。

1. 有意義な回復のためのスペースを確保する

対人関係であれ集中を要する業務であれ、常に「オン」の状態でいることは精神的な疲労を招く。一時的に離れて自律的にコントロールできるスペースを人々に与えることで、リセットが可能になる。人間はサイクルで動いており、一定期間エネルギーを維持した後に休息を必要とする。自然、運動、そしてリラックスが回復を促す。回復が容易にできる環境があれば、個人はより質の高い思考をより長く維持できる。 ── サラ・デイヴィスHED

2. 「常時接続」と生産性を同一視しない

持続可能なパフォーマンスに対する共通の脅威は、常時接続されていることが生産性に等しいという誤解だ。実際には、確実な実行は明確な当事者意識、集中業務のために確保された時間、そして「接続を切る」明確な許可のうえに成り立つ。あらゆる瞬間が通知、会議、妨げ、要求によって遮られると、パフォーマンスは断片化され、受動的なものになってしまう。高いパフォーマンスを誇る組織は、境界線を排除するのではなく、それを保護している。 ── ジェフ・バーギンゼネラル・アセンブリー

3. 信頼できる「自己管理システム」を構築する

有効な戦略の一つは、信頼できるパーソナルな整理・管理システムを構築することだ。確立されたシステムは構造、安定、予測可能性をもたらし、最も重要なことに集中し続ける助けとなる。認知負荷や意思決定の疲労を軽減することで、より価値の高い仕事に精神的エネルギーを割くことができるようになり、自律心が強化され、長期にわたるレジリエンスと持続可能なパフォーマンスが支えられる。 ── ローレン・トロペアーノドセボ

4. 就業時間内に意図的に「静寂」を組み込む

バーンアウトは仕事量の問題ではなく、遮り(割り込み)の問題だ。カリフォルニア大学アーバイン校の研究によると、1回の割り込みによって、完全に集中し直すまでに23分かかるという。注意力の残余が次の作業にまで影響を及ぼすからだ。したがって、解決策はさらなる意志の力ではない。雑音の中で無理に作業を続けるのではなく、静寂を設計するという「引き算の自律心」が求められる。誘惑や邪魔を根性でねじ伏せることはできない。設計によって排除するのだ。 ── マット・ポープセルザ・プレディクティブ・インデックス

5. メンターシップを提供する

今日の職場における多くの課題を考えるとき、いつも立ち返るのがメンターシップという戦略だ。従業員は、散漫な環境、相反する要求、あらゆる方向からのプレッシャーに常にさらされている。リーダーが従業員に寄り添い、優先順位付け、コミュニケーション、意思決定をリアルタイムで指導すれば、より強固な判断力、自律心、そしてより持続可能な長期的パフォーマンスを養うことができる。そうしたチームは、変化に適応し成長する備えもできている。 ── キャシー・ジョージスフェリオン・スタッフィング・アンド・リクルーティング

6. つながりとパーパス(存在意義)に投資する

持続可能なパフォーマンスは、プレッシャーではなくカルチャーによって構築される。従業員がリーダーを信頼し、自分自身が真に価値ある存在だと感じられるとき、課題に直面してもレジリエンスを維持できる。つながりとパーパスに投資する組織は、バーンアウトを減らし、人々が長期にわたって高いレベルでパフォーマンスを発揮できる職場を築くことができる。 ── ミシェル・レイブラックウェルHR

7. 意図的な回復を優先する

誘惑とバーンアウトに満ちた世界において、自律心、レジリエンス、そして永続的なパフォーマンスを築くための最善の方法の一つは、意図的な回復のための余白を作ることだ。それは、リセットし、充電し、集中を取り戻すための、小さく目的を持った休止のことである。常に自分を追い込み続けるのではなく、いつ一歩引くべきかを知り、常にベストな状態で臨み続けることが重要だ。本質的には、より健全で持続可能な方法でエネルギーを管理することにほかならない。境界線を明確に定義することは必須である。 ── エクタ・ヴィアス博士ケック・メディスン・オブ・USC

8. 卓越性を発揮するための条件を守る

生産性の危機は、自律心の欠如ではなく、エンゲージメントの問題だ。認知的不協和や枯渇を感じる臨界点を超えて労働時間を増やしても、アウトプットは増えない。それどころか、翌日のリソースを前借りしているだけだ。持続可能なパフォーマンスは、組織がコミットメントを時間で測定するのをやめ、実際に卓越した成果を上げることを可能にする条件の保護を始めたときに実現する。 ── リチャード・ポラックアメリカン・ベネフィッツ・カウンシル

9. 不要な複雑さを取り除く

持続可能なパフォーマンスは、不要な複雑さを減らすことから始まる。従業員は仕事以外にも多くの義務を抱えており、私用デバイスでアプリ、メール、アカウントに散在する情報を管理していることが多く、すべてを把握するのはほぼ不可能だ。日々の課題に対処するためのサポートを提供することで、従業員に必要な明確さがもたらされ、集中し、リセットし、長期にわたってベストを尽くせるようになる。 ── シェリ・アトウッドサポートペイ

10. インパクトを可視化し、業務をパーパスに結びつける

パーパス主導の経済は理想論ではなく、戦略である。それは仕事そのものを再定義することによって、レジリエンス、自律心、持続可能なパフォーマンスを築き上げる。従業員が自分自身の与える影響(インパクト)を実感できれば、単に出社するだけでなく、当事者として深く関与するようになる。仕事がパーパスと結びついたとき、人々は単に組織のために働くのではなく、そこに所属していると感じるのだ。研究によれば、バーンアウトの主な原因の一つは、核心的な価値観の不一致である。パーパスは単なる特典ではなく、パフォーマンスの原動力なのだ。 ── イェミシ・オロルントラ=コーツGBH

11. 会議中にマルチタスクをしない

マルチタスクは幻想であり、集中力こそが真の競争優位性である。会議中は可能な限りノートパソコンを閉じよう。心ここにあらずの脳は、中途半端な仕事しかできない。すべてのタスクについて、「アート(芸術)」か「サイエンス(科学)」かに分類すること。サイエンスは再現可能である。一度定義すれば毎回同じように実行でき、精神的負荷を軽減できる。アートは上達するために指導や反復が必要であり、当然ながらより多くの注意を向けるべきだ。サイエンスの部分は規律を守ってこなし、アートの部分を磨き続けることで、パフォーマンスは持続可能になる。 ── ジェームズ・グラバーフリント・ラーニング・ソリューションズ

12. 重要なものを定義し、それに沿った計画を立てる

自律心とレジリエンスは、激しさではなく、明確さから生まれる。重要なことを把握し、シンプルな計画を立て、実行可能なスケジュールを作成し、うまくいっていないことの修正に明け暮れるのではなく、うまくいっていることに焦点を当てよう。振り返り、進捗を測定し、節目を祝い、軌道修正をするための余白を作ることだ。持続可能なパフォーマンスとは、より多くのことをこなすことではなく、一貫して雑音を遮断し、自分を前進させるものを優先することである。 ── チャンドラン・フェルナンドマトリックス360

13. 就業時間内に「余白」の時間を確保する

絶え間ないデジタルの誘惑の中でレジリエンスを築くには、「常に連絡可能」な状態を拒否しなければならない。最善の戦略は、就業時間中に「ホワイトスペース(余白)」をスケジュールに組み込むことだ。すなわち、通知のノイズに邪魔されずに集中できる、遮られることのない時間枠である。リーダーが自ら進んでこうした境界線を示すことで、チームが「緊急性」から「持続可能なパフォーマンス」へと移行するための心理的安全性が生まれる。 ── シェリー・マーティン

14. チーム全体で小さな習慣を築き、強化する

パフォーマンスを突発的な救出作戦にするのではなく、日常のリズムにしよう。勝負を決めるのは小さな習慣だ。明確な目標、定期的な進捗確認、タイムリーなフィードバック、そして本質的な評価。何が重要で、自分がどのような状況にあるのかを把握できれば、推測にエネルギーを浪費することがなくなり、持続的に優れた仕事をするための余力が生まれる。 ── ジェイミー・エイトケンベターワークス

15. 注意力、エネルギー、判断力をコントロールする

私たちは専門職を極めるために何年も費やすが、自分自身を極めることはめったにない。AIが知識を民主化するにつれ、知性はありふれたものになっていく。依然として希少価値が高いのは、自身の注意力、エネルギー、そして判断力をコントロールする能力だ。未来は、3つの規律(明確さを得るための「集中」、持久力のための「回復」、継続的な進化のための「内省」)を極めた者の手にある。自分自身をコントロールできるようになれば、AIが当たり前の存在になった後も、長く価値を提供し続けられるだろう。 ── バーニー・ヨンアヴェリス

16. 回復をパフォーマンスの一部として捉える

最も効果的な戦略の一つは、回復をパフォーマンスとは別個のものではなく、その一部として扱うことだ。自律とは、より懸命に働くことではない。集中力、レジリエンス、そして意思決定能力を長期にわたって維持するためのリズムを作り出すことである。持続可能なパフォーマンスは、活動を最大化することではなく、努力と回復のバランスをとることで成り立っている。 ── シャリファ・マステン(CMM)カウンターポイント・コレクティブ

17. 重要でない業務を「やらない」許可を与える

レジリエンスは、人により多くのことを求めることでは築かれない。重要でないことを「減らす」許可を与えることによって築かれるのだ。優先事項を次から次へと増やすリーダーはバーンアウトを引き起こす。明確さをもたらすリーダーは、持続可能な高パフォーマンスを築く。 ── ニコール・ケーブルC3ヘルス

18. 従業員に権限を与え、意見を反映させる

従業員に権限を委譲することで、レジリエンスを構築できる。従業員が自ら意思決定に関与し、自らの能力開発をコントロールでき、強力なリーダーシップのサポートを受けられる環境があれば、変化に適応して成長できる。私たちの研究によると、権限を与えられた従業員は、キャリア満足度や楽観度が高く、バーンアウトが少ない傾向があり、組織変革において適応力のあるパートナーとなる。 ── ジョン・モーガンLHH

19. 回復を中心にエネルギーを設計する

時間だけでなく、エネルギーを設計しよう。バーンアウトは単に働きすぎから起こるわけではない。回復を組み込まずに働くことで引き起こされる。私の知る最もレジリエンスの高い人々は、回復をアウトプットと同じくらい真剣に捉えている。それを仕事を終えたことへの「ご褒美」ではなく、高いパフォーマンスを発揮するための「必要条件」と考えているのだ。スプリントではなく、シーズン(季節)。これが私の見出した唯一の持続可能なモデルだ。 ── リトゥ・モハンカVONQ

20. テクノロジーの周囲に「良質な摩擦」と境界線を作る

最も効果的な戦略の一つは、利便性が最適化された世界において、意図的に「良質な摩擦」を生み出すことだ。持続可能なパフォーマンスは、絶え間ないデジタル刺激によってではなく、注意力を保護し、人間らしいつながりを強化し、内省、学習、そしてパーパスのための余白を確保することによって築かれる。テクノロジーに支配されるのではなく、テクノロジーを自分たちに役立たせるための境界線を設計するとき、自律心は育まれる。 ── ブリットン・ブロックネイビー・フェデラル

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事