筆者が経営するデジタル・レピュテーション・マネジメント会社では、繰り返し目にするパターンがある。企業のレピュテーションは優れているのに、そのCEOのデジタル上のプレゼンスは悲惨な状態だ、というものだ。あるいはその逆で、経営者が入念に強力なパーソナルブランドを築いてきたにもかかわらず、その企業の検索結果が乱雑になっているケースもある。
この2つは不可分であり、これらを別々の問題として扱うことは、レピュテーション・マネジメントにおいて最もコストのかかる過ちの1つである。
調査結果は明白だ
ウェーバー・シャンドウィックの「CEO Reputation Premium」調査によれば、経営者たちは自社の総合的なレピュテーションのおよそ45%、市場価値の44%をCEOのレピュテーションに起因すると回答している。つまり企業のレピュテーションのほぼ半分、そして企業価値のほぼ半分が、たった1人の人物のデジタルフットプリントに宿っているのだ。同調査では、経営者の87%が、CEOのレピュテーションは投資家を惹きつける企業の力に直接影響を及ぼすと答えている。
これは、検索結果が弱い、古い、あるいはネガティブなCEOが、企業のレピュテーション、資金調達、人材採用、パートナーシップ構築のすべてに対して、測定可能なマイナスの重しを一度にもたらしうることを意味する。デューデリジェンスの過程で潜在的パートナーがCEOの名前を検索し、実質的な情報を何も見つけられなかった――あるいはダメージとなる情報を発見した――ことで、案件が破談になるのを筆者は目の当たりにしてきた。
経営者のレピュテーションを「マネジメント」するとは実際どういうことか
経営者としてレピュテーションをマネジメントするというのは、ストーリーを都合よく作り上げることではない。誰か(たとえば潜在的な取締役候補、ジャーナリスト、投資家、採用候補者)があなたの名前を検索したとき、そこに表示される結果があなたという人物と築き上げてきたものを正確に表現している状態を確保することを意味する。
経営者のレピュテーション・マネジメントを包括的に行うには、次の5つの領域をカバーする必要がある。
1. 自分の名前での検索結果
2. LinkedIn、企業紹介、講演者プロフィールなどの職業上のプロフィール
3. 信頼あるメディアで公開されたソート・リーダーシップ記事
4. ChatGPT、Gemini、Perplexityといった生成AIによる自身についての表現
5. 発生する可能性の高い状況に対する危機対応の備え
AIの領域は最も新しく、そして最も見過ごされている。潜在的パートナーが会議前に「この経営者は誰で、どんな経歴か」とAIツールに尋ねると、応答は学習データと参照元から統合されて生成される。もし利用可能な実質的なコンテンツが薄いLinkedInプロフィールと3年前のプレスリリースだけであれば、それがそのまま統合されて出力される。信頼あるメディアで実質的なソート・リーダーシップを発信してきた経営者は、AIが参照できる質の高いシグナルが多いため、AIによる表現の質も明らかに向上する。
先手を打つことの優位性
レピュテーションを最も効果的にマネジメントしている経営者は、必要になる前に強力なデジタル・プレゼンスを築き上げていた人物である。危機が訪れたとき――たとえば不当な報道や、不満を抱いた元従業員の投稿が拡散した場合、あるいは競合による誹謗中傷キャンペーンなど――ポジティブなデジタルフットプリントを確立している経営者は、薄い、あるいはネガティブな基盤で動いていた経営者よりも、その状況を乗り越えられる可能性が高い。
多くの経営者は、レピュテーションについて事後対応的に考える。何か問題が起きてから対処するのだ。しかし筆者の経験では、先手を打ってレピュテーション・マネジメントに取り組む経営者ほど、その努力はより効果的で、より良い結果につながる傾向がある。ダメージがすでに上位表示されてから排除しようとするのではなく、強い立場から積み上げているからである。
実践的な出発点
最近やっていないなら、自分の名前をGoogleで検索してみてほしい。会社名ではなく、自分の名前だ。1ページ目に表示されるのは何か。それは最新のものか。あなたという人物と築いてきたものを正確に表現しているか。ネガティブな情報、古い情報、あるいは真剣な潜在的パートナーが気づくような欠落はないか。
この監査は10分で終わる。そこで見つかるものは、大半の組織が関心を払わずに過ごす1年の間に発見するよりも、自らのレピュテーション上のリスクについて多くのことを教えてくれる。
自分の名前をGoogleで検索したり、AIに関連する問いを投げて古い情報や不完全な情報が見つかった場合、その空白を埋めるべく先手を打って動くことが重要である。専門的なプロフィールやSNSアセットの整備から、企業ウェブサイトの更新確保まで、実行できる簡単なタスクは数多くある。
結局のところ、利用可能な情報が不足していれば、あなた自身の手ではなく、他人の手によってあなたのレガシー(遺したもの)が書き換えられてしまう隙を与えることになるのだ。



