宇宙

2026.08.16 15:00

NASA、宇宙の広大なパノラマ地図するローマン宇宙望遠鏡 8月末打ち上げへ

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡を描いたイラスト(NASA Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio)

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡を描いたイラスト(NASA Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio)

NASAの次世代超大型ミッションである宇宙望遠鏡の打ち上げ日が決定した。ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(RST)は米国時間8月30日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターからスペースXの大型ロケット、ファルコンヘビーに搭載されて打ち上げられる予定だ。今回の打ち上げは、NASAの当初の予定よりも約9か月前倒しで実施される。長年の開発を要する超大型規模の天体物理学ミッションとしては、異例の早さでの打ち上げ達成となる。

宇宙望遠鏡計画を推進したNASAの初代主任天文学者、故ナンシー・グレース・ローマン博士にちなんで命名されたローマン望遠鏡は、30年以上前に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡と同様に、天文学を一変させると期待されている。ただしローマンは、個々の天体を超精密に捉えたクローズアップ画像ではなく、宇宙の広大なパノラマ地図を作成する見込みだ。

ハッブルとローマン:広角視野で見る宇宙

ローマンは1回の観測で1つの銀河を調べるのではなく、膨大な数の銀河を一度にマッピングする。これにより、宇宙がどのように構成されているかや、宇宙史の中でどのように進化してきたかに関する全く新しい視点が天文学者にもたらされる。これを実現するため、主鏡の口径はハッブルと同じ2.4mだが、ローマンが搭載する広視野観測装置(WFI)はハッブルの視野の100倍以上の範囲をカバーする画像を取得できるため、広大な空の範囲を速やかに調査することが可能になっている。NASAによると、ローマンは5年間の基本ミッション期間中に、ハッブルが30年以上の運用で観測してきた範囲を上回る天の領域を撮像し、約20ペタバイト(2000万ギガバイト)におよぶ科学データを収集すると期待されている。

NASAゴダード宇宙飛行センター(GSFC)のシニア・プロジェクト・サイエンティストを務めるジュリー・マケナリーは、7月29日の記者会見で「ローマンは1か月間で、天の川銀河(銀河系)全体を観測し、銀河系内にある恒星の最大で半数を検出できる可能性がある」として「これだけでも、現在存在するどの天体カタログよりもはるかに規模の大きいカタログになるだろう」と述べている。マケナリーはさらに、ローマンによる最大規模の観測で撮影される画像1枚をフル解像度で表示するには、4Kテレビが50万台以上必要になると続けている。これはヨセミテ国立公園にある一枚岩の巨大岸壁エル・キャピタンを覆いつくせるほどの面積だ。

系外惑星10万個超を新たに発見

ローマンについて最も心が躍るのは、おそらくその太陽系外惑星ハンターとしての側面だろう。NASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)やケプラー宇宙望遠鏡が主星のすぐ近くを公転する惑星しか発見できなかったのとは異なり、ローマンはトランジット法に加えて重力マイクロレンズ法を用いることで、主星から遠く離れて公転するより低温の惑星を含めて10万個を超える系外惑星を発見すると期待されている。太陽系に存在するような、より低温の惑星の発見数については、現在知られている数の最大40倍に達すると見込まれている。さらに、公転する主星を持たずに銀河系を漂っている自由浮遊惑星(はぐれ惑星)も多数発見される可能性が高い。

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翻訳=河原稔

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