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2026.08.15 15:11

イノベーションを可能にする:サプライチェーン混乱への脆弱性を断ち切れ

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イノベーターは重要な問いを自らに投げかける必要がある。もし需要が突然急拡大したら、どうするのか。映画の名作『ジョーズ』でサメが海面に姿を現した瞬間、あの有名なセリフが飛び出す──「もっと大きな船が必要だ」。同じ原則がサプライチェーンにも当てはまる。

イノベーター仲間への私の助言はこうだ。サプライチェーン混乱への脆弱性を断ち切るときが来た。

サプライチェーンを再考する

クリーンテック企業のCEOとしての仕事を通じて、テクノロジーのイノベーターにとって競争戦略の中核には、サプライチェーンの再考があると私は考えるようになった。つまり、可能な場合には重要部品を自社で製造し、品質、拡張性、長期的な供給可能性を自ら管理するということだ。

自社の技術が大規模に成功したとき、製造体制は品質を維持しながらそれに合わせて拡大できるだろうか。需要が生じてから成長計画を立てるのでは、手遅れになる可能性がある。私の経験では、企業は先を見越して、生産能力、サプライヤーとの関係、在庫戦略、製造品質システムを十分に整えておく必要がある。

汎用品の製造については、外部サプライヤーが効率的かつ費用対効果の高い形で運営できる場合、戦略的に調達するのが合理的である。しかし、重要なシステムについては、レジリエンスとコントロールが重要になる。だからこそ、強固なサプライチェーンの連携を築き、破綻する前に弱点を特定し、規模が必要になる前に拡張を前提として構築することが重要だ。今後10年で先行する企業は、単に画期的な技術を生み出すだけではない。それを大規模に、信頼性高く提供する備えも整えている企業だと私は考えている。

より強靭な国内サプライチェーンが必要

AIシステムを例に取ってみよう。AIシステムには、膨大な量の信頼できる電力と、地政学的な混乱に脆弱でないサプライチェーンが必要だ。米国が中国への依存を減らしたいのであれば、世界的競争から全面的に退く必要はない。むしろ、より強固な国内サプライチェーンを構築できるイノベーションに投資すればよい。これと同じ原則は企業レベルにも当てはまる。レジリエンスは急速に競争優位になりつつあると私は考えている。

混乱を防ぐため、米国輸出入銀行は2月、重要鉱物を備蓄する取り組みであるプロジェクト・バルトに対し、100億ドル(約1兆5900億円)の直接融資を行うと発表した。プロジェクト・バルトは、大規模な蓄電を支える重要素材を他国が供給停止する選択をした場合に、企業を危機から守ることを目的とした新たな介入策として浮上している。

AIデータセンターや先端製造施設の拡大が物理的インフラに与える負荷も、ますます顕著になっている。大手テクノロジー企業は現在、AIデータセンター向けの専用エネルギー供給能力の確保を急いでおり、一部の施設は一部の都市に匹敵する電力を消費すると予測されている。同時に、多くの重要部品がなお海外サプライチェーンに依存しているため、電力会社は変圧器、送電網設備、蓄電システムの納期遅延に直面している。テクノロジーブームとして始まったものは、急速に国家的なインフラ課題へと変わりつつある。

私たちイノベーションを担うリーダーは、サプライチェーンのレジリエンスが、いまやエネルギーのレジリエンスと切り離せないことを認識する必要がある。最も安いグローバルサプライヤーを優先する旧来のモデルは、地政学的競争、輸出規制、戦略資源ナショナリズムによって特徴づけられる時代には、もはや十分ではない。

より高いレジリエンスには連邦政府の支援が必要

このような変化を実現するには、連邦政府の支援が必要になる。中国の事例を見ればその理由は明らかだ。研究者らは、政府調達が同国のサプライチェーンのレジリエンスを大幅に高め、財務上の制約を緩和したことを明らかにしている。

中国は、蓄電材料をコントロールすることが産業上の影響力につながることを理解していた。現在、中国はリチウム、黒鉛、コバルトのバッテリーサプライチェーンの大部分を支配している。この集中は、自動車メーカーだけでなく、米国全体のAIインフラ、電力会社、防衛システム、先端製造にも脆弱性をもたらし得る。

サプライチェーンのレジリエンスを真に高めていくには、連邦政府が、米国の貿易上のニーズを変え得るイノベーションに対して、より積極的に資金を供給する必要があると私は考えている。それは、国内ですでに利用可能な資源を活用して製造を米国に呼び戻し得るイノベーションに対し、前例のない革新や初期導入の段階から資金を投じることを意味する。

企業はどのようにサプライチェーン再構築を始めるべきか

私たちは連邦政府を直接動かすことはできないが、米国企業がサプライチェーンのレジリエンス強化の必要性にさまざまな形で対応しているのを私は見てきた。迅速な展開から長期的なレジリエンスへと軸足を移すなら、検討に値する点をいくつか挙げたい。

すべてのサプライヤーではなく、重要サプライヤーを分散する。大企業は主要製品を投入する前に、ミッションクリティカルな部品について複数調達先の戦略を常に求める。単一の供給途絶が、下流に大きな財務的影響を及ぼし得ることを理解しているからだ。小規模なイノベーターも同じ規律を取り入れられる。まずは、自社のサプライチェーンにおいて真の単一障害点となる部品を特定することから始めるべきだ。

サプライヤーを長期的な戦略パートナーと捉える。イノベーターが直面する最大の障壁の1つは、魅力的な価格設定が多くの場合、大きな数量コミットメントと結びついていることだ。既存企業は過去の需要に基づいてそうしたコミットメントを行えるが、新興企業には通常それができない。

すべてではなく、戦略的能力を地域化する。私の経験では、国内または地域内での製造が最も価値を持つのは、品質、知的財産、エンジニアリング上の協業、顧客対応力が競争優位を生む領域である。経済合理性がある場合には、汎用部品のグローバル調達を続ければよい。目標は、最も重要な部分でレジリエンスを確保することだ。

将来の供給制約を前提に設計する。戦略的レジリエンスは、多くの場合、調達の前に始まる。今日のサプライチェーンの脆弱性の多くは、業界全体が同じ材料、部品、製造プロセスに依存しているために存在する。供給制約が競争上の不利になる前に、自社が製品を再設計できるか、生産を多様化できるかを常に問い続けるべきだ。

結論

複数の戦略的弱点に同時に対処する機会を見極める時が来ている。短期的なコスト削減だけを最適化するのではなく、レジリエンスの高い供給ネットワークを先手を打って構築することで、イノベーターは今後数年にわたり、より大きな成功を収める位置につくことができる。ますます分断が進むグローバル経済において、レジリエンスそのものが競争優位になりつつある。

(forbes.com 原文)

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