リーダーシップ

2026.08.15 12:14

即戦力の争奪戦——「経験者」を育てているのは、いったい誰なのか

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なぜ組織にはケイパビリティ・エコシステムが必要なのか

ビジネスリーダーは絶えず変化する経営環境に適応しようとするなかで、最先端の経験を持つ人材で欠員を埋めようとする。エグゼクティブサーチ企業は候補者を探し、採用担当者は面接を行う。それでもポジションが埋まらないのは、企業が必要と考えるまさにその経験を備えた、限られた同じ人材プールを奪い合っているからだ。

組織が経験を「買う」ことを優先するならば、当然の疑問が浮かぶ。誰もが採用したいと望む経験豊富な人材を、いったい誰が育てているのか。

ビジネスで成功するためには、リーダーは目の前の生産性の課題に対処しなければならない。競争のプレッシャーから、人員をスリム化せざるを得ないことも多い。従業員が去るとき、彼らは重要な知識も持って去っていく。即戦力となる人材でその穴を埋めることは、ビジネスの論理としては完全に理にかなっている。

しかし、その専門性の多くがすでに社内に存在し、見過ごされているとしたらどうだろうか。人材育成と人材維持が、同じビジネス戦略の一部だったらどうだろうか。

ケイパビリティ・エコシステム

ほとんどの企業は人材獲得に多大な投資をしているが、組織能力を構築し維持するために必要なシステム全体を管理している企業ははるかに少ない。採用、社内異動、リーダーシップの継続性、能力開発、元従業員とのつながりは、単一の戦略的システムの一部としてではなく、それぞれ独立に管理されていることが多い。

ケイパビリティ・エコシステムとは、組織が長期にわたってビジネスパフォーマンスを維持するために必要な能力を、獲得し、創造し、更新し、再接続する、相互に連携したシステムである。

能力の獲得は、進化するビジネス要件に応えるために必要な外部人材を、組織が確実に確保できるようにするものだ。

能力の創造は、組織が意図的に人材を育成し、これまで経験のない業務を成功裏に遂行できるようにするものだ。緊急に必要となる前に、将来の能力を築いておくのである。

能力の更新は、テクノロジー、市場、顧客の期待が進化するなかで、既存の専門性が引き続き有効であり続けるようにするものだ。これには、リスキリング、AIの導入、リーダーシップ能力、部門横断的な経験、そしてキャリア全体を通じた継続的な学習が含まれる。

能力の再接続は、かつて培われたスキルや能力を、元従業員、退職者、プロジェクトベースの契約、臨時人材、その他の意図的な復帰ルートを通じて組織に取り込むものだ。

能力を追い求めるのではなく、構築するための5つのリーダーシップ・シフト

1. 経験を測るのをやめ、学習力を測る

経験は重要だ。しかし、テクノロジーが急速に変化する時期には、昨日の経験は誰にとってもより速く価値を失っていく。リーダーは、新しいシステムを学び、未知の問題を解決し、変化するビジネスニーズに応える意欲と能力を繰り返し示す人材を見極めるべきだ。

2. 社内のキャリアパスを設計する

すべての重要ポジションには、社内の能力パイプラインを設けるべきだ。「2年後にこの仕事を担えるのは誰か」を問うのである。そのうえで、ローテーション配置、メンタリング、ストレッチプロジェクト、AIを活用した業務・育成機会を意図的に用意し、候補者を準備する。興味深いことに、後継候補を見極めるのに最も適しているのは、しばしば現任者だ。その知見を失ってはならない。

3. 元従業員を将来の人材として扱う

体系的な復帰ルートを整えよう。人が去る理由は、介護、学業、起業、兵役、転居など数多くある。ならば、復帰を打診してみてはどうか。彼らは求められるスキルをすでに備えているかもしれないし、新しいポジションに向けて容易に育成できるかもしれない。

4. 人材を引き留めるだけでなく、育てるマネジャーを評価する

人材が部門や事業単位を越えて成長し続けることは、企業の利益になる。リーダーの評価には、組織全体でより大きな役割を担える人材をどれだけ育てたかを、その一部として組み込むべきだ。

5. 能力の更新を全員の仕事にする

能力の更新には、AIの導入、デジタルリテラシー、リーダーシップ能力、部門横断的な経験、プロジェクト業務、メンタリング、他者への指導、継続的な学習が含まれる。現在の従業員が何を必要としているか分からないなら、本人たちに聞けばよい。

継続的な更新を当たり前とする組織は、数年ごとに労働力を再構築せずに適応できるため、よりレジリエンスが高くなる。ケイパビリティ・エコシステムの健全性は、リーダーが財務業績に対して用いるのと同じ厳格さで測るべきだ。社内昇進、部門横断的な異動、リーダーシップの準備状況、ブーメラン採用、AI導入、戦力化までの時間——これらはいずれも、新たな専門性が主に外部労働市場から調達されているのか、それとも社内から育まれているのかを示す指標となる。

採用の先へ——ケイパビリティ・エコシステムの構築

競争優位は採用だけからではなく、組織が長期にわたり成功するために必要な能力を意図的にマネジメントすることから生まれる。能力の獲得、創造、更新、再接続を通じてケイパビリティ・エコシステムを意図的に構築する企業は、単に欠員を埋めているのではない。人口動態の変化、テクノロジーによる破壊的変化、進化する顧客の期待に継続的に適応できる組織を築いているのだ。

forbes.com 原文

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