2026.08.15 11:24

進化する「オールインクルーシブ」、ハイアットが仕掛ける新たな勝負

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ハイアット ホテルズ&リゾーツは2013年、オールインクルーシブの新ブランドリゾート2軒、ハイアット・ジラーラ・カンクンとハイアット・ジヴァ・ロスカボスを開業し、オールインクルーシブ市場に参入した初のグローバル・ホスピタリティ企業となった。

それから13年がたった現在、同社のポートフォリオは、ラテンアメリカ、カリブ海地域、ヨーロッパにまたがる150軒超、5万8000室超のオールインクルーシブ施設へと拡大し、さらに開業予定の施設も控えている。

「ハイアットは2021年、アップル・レジャー・グループの買収を通じて、オールインクルーシブ部門への極めて意図的で成功した戦略的投資を行いました」と、ハイアットのインクルーシブ・コレクション担当プレジデントであるハビエル・アギラは、ForbesとのEメールインタビューで語る。「私たちはその後の取引を通じてこの戦略を積み上げてきました。それには、スペインのピニェロ社とのバイア・プリンシペに関する提携や、より最近ではプラヤ ホテルズ&リゾーツの買収などが含まれます」

「私たちがこれらの買収に踏み切ったのは、現在見られる勢いよりもはるか前から、オールインクルーシブ部門の重要性が高まると予見していたからです。現在、米国とカナダの旅行者の10人に6人は、5年前に比べてオールインクルーシブリゾートに滞在する意向を強めており、このカテゴリーを体験した人の84%が再訪しています」と同氏は付け加える。

ハイアットの最近の開業例には、ドリームズ・プラヤ・エスメラルダ・リゾート&スパ、シークレッツ・セントルシア・リゾート&スパ、シークレッツ・ベイビー・ビーチ・アルバ、シークレッツ・ミラベル・カンクン・リゾート&スパがある。また、シークレッツ・プラヤ・ムヘーレス・ゴルフ&スパ・リゾートとハイアット・ジラーラ・カンクンでは大規模改装が行われ、2026年末までにはハイアット・ヴィヴィッド・プンタカナ、パーク ハイアット リビエラマヤ、グランド ハイアット ロスカボスの開業も予定されている。

オールインクルーシブリゾートの進化と成熟

オールインクルーシブの原点は、75年以上前の1950年に創業したクラブメッドである。その目的は、宿泊客が煩わしさなく心身をリフレッシュできる休暇の場をつくることだった。最初の施設は、スペイン・マヨルカ島のテント式キャンプだった。客室は質素といえるものだったかもしれないが、アルコールは自由に提供され、スポーツやアクティビティは豊富で、滞在費は非常に手頃だった。

1980年代になると、オールインクルーシブの次の形が主にカリブ海地域で広がった。そこには、サンダルズ(カップル向けリゾート)と、その派生ブランドであるビーチズ(ファミリー向け)、ロイヤルトン(こちらもファミリー向け)が含まれる。これらの施設は引き続き手頃な価格帯ではあったものの、中間層の旅行者を対象に、クラブメッドよりも宿泊施設やサービス内容がアップグレードされていた。

しかし、ここ20年間でオールインクルーシブのあり方はパラダイムシフトを遂げた。より洗練された高級施設が登場し、より高い価格でよりぜいたくな空間、グルメダイニング、充実したアメニティを提供するようになったのである。

オールインクルーシブの変わらぬ魅力

ストレスのない滞在を象徴するクラブメッドモデルの多くの側面は、今日でも高く評価されている。「目的はシンプルです。滞在中の意思決定や不便さを減らし、ゲストが日常生活から完全に解放され、自分自身、同行者、そして周囲の目的地とのつながりを取り戻せるようにすることです」とアギラ氏は語る。

オールインクルーシブのバケーションは、食事やエンターテインメントを含む多様なアクティビティや選択肢が敷地内に用意されているため、計画の手間が最小限で済む。多くの施設はさまざまなダイニングオプションを備えており、レストランの予約や現地の交通手段の手配をしなくて済む。

最も重要なのは、費用が予測しやすいことだ。ゲストは自宅を出発する前に、支払う金額をかなり正確に見積もることができる。本人や子どもが軽食や飲み物を欲しがるたびに、財布に手を伸ばす必要はない。友人や親族のグループで旅行する場合も、オールインクルーシブの滞在なら支払いをめぐって揉める必要がなくなる。

新しいオールインクルーシブは何が違うのか

今日のオールインクルーシブは、ダイニング、施設内体験、ラグジュアリー面で一段と勝負を賭けている。「需要を獲得し維持するために、ハイアットは体験そのものも進化させてきました。人々はもはや、何が含まれているかでリゾートを選ぶのではなく、そこでどう感じられるかで選ぶのです」とアギラ氏は語る。

「当社が重視してきたのは、ゲスト体験を継続的に高めることです。例えば、店舗風のファサードの奥に隠されたザ・ブラインド・ブッチャーのような隠れ家風バーや、家族の家のキッチンを再現した空間でゲストが伝統的な郷土料理を作るカサ・アデリータのような没入型の料理施設など、数年前ならオールインクルーシブの世界ではほとんど考えられなかったダイニングコンセプトを導入してきました。同時に、サービス基準も絶えず引き上げています」とアギラ氏は述べる。

ハイアットが委託したSkiftの調査「New Research: Why All-Inclusive Travel Is Having a Moment」によれば、多くのオールインクルーシブ施設が、ヨガ、瞑想、マインドフルネス、より健康的なメニューなど、ヘルス&ウェルネスをプログラムに取り入れている。

ブランド各社はまた、ゲスト満足度を高め、オーナーにより強い成果をもたらすため、オールインクルーシブ体験のパーソナライズにも取り組んでいる。「パーソナライズは『あれば嬉しい』から『前提条件』へと変わりました」と同レポートは指摘する。市場の高価格帯では、専任のリゾートアンバサダー、プレミアムな専門ダイニング、専用ビーチアクセスなどが含まれる場合がある。もちろん、ラグジュアリーが増すほど価格帯も高くなる。

オールインクルーシブの将来に期待を寄せているホテルブランドは、ハイアットだけではない。マリオット・インターナショナルは現在、カリブ海地域とラテンアメリカで38軒のオールインクルーシブ施設を運営しており、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカ、カリブ海地域でさらに20軒の計画を進めている。

業界誌Travel Weeklyは、新たなオールインクルーシブ施設の開発が、需要に応えるだけでなく需要を喚起する目的でも進められていると指摘する。

これには、ジャマイカのモンテゴベイにあるマリオット ホテルズ オールインクルーシブ・リゾートや、タンザニアのザンジバルにあるオートグラフ コレクション オールインクルーシブ・リゾートが含まれる。同ブランドはまた、次世代の旅行者を比較的知名度の低い目的地へ引きつけたい考えだ。開発中の施設には、プンタカナのザ・ラグジュアリー・コレクション、リオデジャネイロのJW マリオット、さらにトリビュート ポートフォリオ、オートグラフ コレクション、ウェスティン、マリオットの各施設が含まれる。

真正性を保ちながらコンセプトを磨く難しさ

オールインクルーシブへの関心は高まっている。Morning Brewによると、Hotels.comは、今年1月から6月にかけてのオールインクルーシブ検索数が前年同期比で70%増加したと報告した。

アギラ氏は、ハイアットの調査では、このカテゴリーがほぼすべての世代に広く訴求していることが示されていると述べる。「家族旅行やロマンチックな休暇において、オールインクルーシブはますます選ばれる休暇の形になっています。とりわけ興味深いのは、この勢いが若い旅行者にも及んでいることです。実際、30歳未満の旅行者は、5年前に比べてオールインクルーシブリゾートを選ぶ傾向が大幅に強まっています」と同氏は言う。

新世代のオールインクルーシブに対して、誰もが手放しで熱意を示しているわけではない。ケンタッキー州ジョージタウンのプリファード・バケーションズのCEO、トム・カー氏はメールで、グローバルブランドが運営する施設数の急増について懸念を示し、「良し悪しが混在している」と表現した。カー氏は、オールインクルーシブに特化した初のオンライン旅行会社を創業し、約30年にわたり業界の成長を見てきた人物だ。

「一方では、提供できる施設が増えています。しかし、コンセプトの均質化は懸念材料です」と同氏は言う。「オールインクルーシブは体験であるべきであり、地域の影響を受けたものであるべきです。ホテルのロイヤルティポイントを獲得するための、単なるもう一つの滞在であってはなりません」

forbes.com 原文

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