2026.08.15 08:00

出入国の新制度を導入した欧州、国境での混乱続く ETIASの開始はまたも延期か

北マケドニアからギリシャに向かう国境検問所で、欧州連合(EU)の新たな国境管理制度「出入域システム(EES)」導入に伴う混乱で発生した車両の列。2026年6月20日撮影(Nake Batev/Anadolu via Getty Images)

北マケドニアからギリシャに向かう国境検問所で、欧州連合(EU)の新たな国境管理制度「出入域システム(EES)」導入に伴う混乱で発生した車両の列。2026年6月20日撮影(Nake Batev/Anadolu via Getty Images)

この夏、欧州の空港で行列に並んだことがあるなら、欧州連合(EU)が新たに導入した国境管理制度「出入域システム(EES)」を既に体験しているはずだ。一方、EESと並行して運用される予定の「欧州渡航情報認証制度(ETIAS)」は、年内の開始が見込まれていたが、来年にずれ込む可能性が強まってきた。本稿では、これらの新制度について解説しよう。

ETIASの導入はまたも延期か

英紙フィナンシャルタイムズは、ETIASが当初の計画通り年内に導入される見込みは薄いと報じた。EUの公式サイトでは、ETIASの開始時期は2026年後半とされているが、業界関係者の間では、この新制度の現実的な導入時期は早くても27年4月になるとみられている。

欧州のETIASは、米国の「電子渡航認証制度(ESTA)」や英国の「電子渡航認証(ETA)」と同様、ビザ(査証)免除対象国からの渡航者に適用されるオンライン事前渡航許可制度だ。ETIASの手数料は通常7ユーロ(約1300円)で、有効期間は3年間またはパスポート(旅券)の有効期限までとなる。これにより、同制度に参加するすべての国で、180日の期間内に最大90日の滞在が許可される。

同制度は当初、25年の開始が予定されていたが、後に26年に延期された。だが、4月にEESが導入された際、国境で混乱や遅延が生じたことから、ETIASの準備にはさらに時間が必要になったとみられる。EU当局者はフィナンシャルタイムズの取材に対し、技術的な不具合やEES導入に伴う混乱のため、計画通りETIASを年内に開始することは恐らく不可能だろうと語った。

ETIASは、日本を含む60カ国以上からの渡航者に適用され、アイルランドを除くEU加盟国に加え、シェンゲン協定で自由な移動を認めているアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン、スイスに入国する際に必要となる。欧州のニュース専門放送局ユーロニュースによると、新制度が導入された後は6カ月程度の移行期間が設けられる見通しだ。この期間中はETIASの申請はできるが、取得していなくても入国を拒否されることはない。

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翻訳・編集=安藤清香

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