もっとよいアプローチがある。
オフィスを、出社する価値のある場所にすることだ。
コラボレーションやメンタリング、難しい議論、人間関係の構築などは皆が集まる日に組み込む。それ以外の日は、集中して仕事ができるようにする。会計担当者やデザイナー、営業担当者、ソフトウェアエンジニア全員に同じ方針が等しく適していると決めつけるのではなく、働き方のリズムについてチームにもある程度の裁量を与えるのだ。
リーダーが問うべきは「どうすれば従業員をオフィスに戻せるか」ではない。
「いっしょにいることをわざわざ通勤する価値のあるものにするには何が必要か」であるべきだ。
空っぽのオフィスが問題ではない可能性
とはいえ、依然として経済的な現実がある。ほぼ常時従業員がいない建物に莫大な賃料を支払っている企業は、これほど広いスペースが必要なのかを疑問視すべきだろう。ハイブリッドワークによって最終的にはより小さなオフィスや従来の賃貸契約とは異なる形態、そして個々のデスクがずらりと並ぶのではなくコラボレーションを想定して設計された建物が必要になるかもしれない。
だがオフィスの利用状況を考えるときには、従業員数を利用可能な椅子の数で割るだけではなく、もっと洗練された考え方が必要だ。
美しい夏の午後、ほとんど誰もいないオフィスを想像してみてほしい。何十人もの従業員が自宅の庭で仕事をしているかもしれない。それでも仕事がきちんと進み、顧客が満足し、チームが成果を上げているのであれば、オフィスに多くの従業員が出社するよう仕向けることで自動的に何かが改善すると主張するのは難しい。
そして、その2日後の同じオフィスを想像してみてほしい。あるチームがプロジェクトを立ち上げ中で、新入社員が同僚と顔を合わせ、マネージャーたちは対面の方がより円滑に進む話し合いを行っているため、オフィスは活気に満ちている。
建物は変わっていない。
変わったのはその目的だ。
オフィスの未来はそこへ向かっているのかもしれない。私たちは何十年もの間、オフィスを従業員を収容するための「容器」として扱ってきた。そして従業員たちがなぜ自分たちはそこに収容される必要があるのかと疑問を呈し始め、驚いたのだ。
従業員同士が対面で同じ空間にいることの本当の利点は、単に同じ建物の中にいることではなく、人とのつながりやコラボレーション、学習にあると指摘する研究が増えている。それが正しいのであれば、未来のうまくいっているオフィスはときには驚くほど「スカスカ」に見えるかもしれない。
おそらくリーダーは、従業員がデスクにいるかどうかをあまり気にせず、従業員が自らオフィスに足を運んだときに何が起こるかにもっと関心を向けるべきだろう。


