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2026.08.19 18:15

「急ぐな、休むな」 TeamFirstピーター・ザインが日本で学んだ経営哲学

TeamFirst創業者・CEO ピーター・ザイン・ヴィトゲンシュタイン

「人」こそが価値である

10年ほど前、「日本で海外の飲食ブランドを成功させるには10年かかる」と言われていましたが、クリストファーとマークは「それなら5年でやってみせよう」と笑い、実際2020年には約40店を展開し、500店舗以上にビールを卸していました。2022年に私はシュマッツを離れましたが、二人から本当に多くのことを学びました。

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当時シュマッツでは、新店舗のオープンごとにパーティーを開催していました。それは大企業の重役やアスリート、クリエイターなど、業界や国籍を越えた人たちが集まり、出会いが生まれる場にもなっていたのです。コロナ禍で開催できずにいた頃、友人であり虎屋の社長である黒川光晴氏が「あの集まりが恋しい。またあのような場を作って欲しい」と声をかけてくれたのです。その言葉をきっかけに、2021年、オンラインイベントをスタートしました。

初回のゲストはシュマッツのクリストファー、第2回のゲストが黒川氏。その後、Facebook Japanの代表(当時)やファミリーマートの会長など著名なリーダーたちがゲストとして登壇。回を重ねるにつれ、友人が友人を紹介し、新たな出会いが生まれていきました。その過程で私が実感したのは、価値を生み出すのはイベントそのものではなく、そこに集う人たちだということです。

TeamFirstのコミュニティイベントの様子
TeamFirstのコミュニティイベントの様子

こうしてできたコミュニティ、「TeamFirst」が事業として動き始めたのは偶然のことでした。アメリカ最大級のフードデリバリーサービス「DoorDash」が日本進出を決めていたものの、コロナ禍で担当責任者も入国ができない。そこで私たちのオンラインイベントでゲストトークをしたところ、複数の人材の採用が決まったのです。

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「このコミュニティの仕組みをビジネスとして構築できる」と確信し、以降、変わらずイベントを続けながら、ビジネスとして日本進出を目指す企業の支援、経営チームづくり、人材採用、パートナーシップ構築などを行っています。なかでもいま最も需要が大きいのは、世界の先端AI企業の日本進出支援です。米国のAI企業の多くはアジア拠点としてシンガポールを選びますが、私は東京こそがその答えになるべきだと考えています。

TeamFirstが一般的な人材紹介会社と異なるのはコミュニティがベースにある点です。求人が出てから候補者を探すのではなく、長期的に優秀な人たちとの信頼関係を築き、そのネットワークの中で最適な出会いを生み出しています。私は、人材こそが、国にとって最も重要なインフラだと考えています。

現在、TeamFirstの社員は約10人、コミュニティには300社を超える企業から1200人以上のバイリンガルメンバーが参加しています。起業家、経営者、投資家、研究者、クリエイター、学生、行政関係者など、肩書きはさまざまですが、共通しているのは「日本の未来を、自分たちの手でつくりたい」という思いです。女性比率は50%以上。これを維持したまま、今後5000人規模まで広げたいと思っています。

東京はいま、世界から愛されている

2025年11月からは、東京都の国際金融フェローとして、世界中の起業家や投資家、ビジネスリーダーたちと対話を重ねています。彼らが現場で感じていることと、東京都が実現したいことを結びつける橋渡し役が私の役割です。

TeamFirstのメンバーと小池百合子都知事を訪問
TeamFirstのメンバーと小池百合子都知事を訪問
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文=守屋美佳 写真=苅部太郎 編集=鈴木奈央

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