変わったこと、変わらないこと
若い頃と変わらず、40代になった今でもつくり続け、発表し続けています。リサーチして新しいものをつくることや未知なるものへの関心、「見えないものの可視化」という創作テーマも変わっていません。でも、作品や展示の規模はどんどん拡張しています。
例えば、18年の個展「FUTURE NATURE」(東京・東雲 TOLOT/heuristic SHINONOME)で、映像、音楽、インスタレーションと、自分のできることを混ぜ合わせた展示を行い、25年にその続編として、鹿児島県の霧島アートの森で「ヨシロットン展 FUTURE NATURE Ⅱ in Kagoshima」を開催。美術館で行う初めての個展でした。
18年の個展を観た人が、グラフィックだけじゃなく、映像や音楽、空間までトータルでできるクリエイターだと提案してくれて実現したのが、翌年の「Radio Hermes」。以来、エルメスさんとの仕事が続いています。
また、霧島アートの森がきっかけで、10月30日から始まる虎ノ門ヒルズ・TOKYO NODEでの個展「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH」が決まりました。今回、JAXAの協力を得て、ブラックホールの観測データなども使って、以前制作した分光機の作品をバージョンアップさせる予定です。
なりたい自分になっていけているか

30歳くらいの頃、自分の会社であるYARを立ち上げて、チームで仕事するようになりました。今はひと回り以上若い子たちもいますが、皆、20代の僕がポジトロンでそうだったように、YARが好きで入ってくれていて、それぞれの個性を見ながら案件を任せるうちに指名で依頼されることも出てきています。
この先どうなるか常にわからないですが、「会社を作ったからにはもっと案件を増やしたい」「もっと広いスペースがほしい」と、次々と目標ができていって今があります。常につくる環境と見せる環境を求めてきた。2年前に、常時作品を見せられる場所としてショールームをつくったことで、作品の制作依頼もありました。
振り返ると、2020年頃は「グラフィックデザインの人なのか、ファインアートの人なのか」とか、「どちらかの仕事に絞らないのか」とかよく言われていましたが、美術館で個展をしたこともあってか、もう何も言われなくなりました。自分自身、関係ないよなって思って、ずっとジャンルレスに仕事してきました。
僕にとって 「成功」とは、「なりたい自分になっていけているか」。常に新しいことをしていきたい欲求があります。大好きな蕎麦と温泉とお茶を楽しめるスペースもつくってみたいですね。例えば東京からちょっと離れた地域で、癒されて、身体も心も元気になれて、作品も一緒に楽しめるような空間とか。今、宿泊型作品のSUN HOUSEも制作中です。TOKYO NODEでの個展を前に、すでにその先はどこへ行けるだろう、ってワクワクしています。


