職場において信頼関係が崩れたとき、多くの人は本能的に、身を隠したり、自己弁護をしたり、あるいはできるだけ早くその場をやり過ごそうとしたりしがちだ。信頼を巡る問題に正面から向き合うよりも、避けて通るほうが簡単だと感じられる。
しかし、たとえ衝突の多いチームであっても、謝罪は信頼への架け橋を築く上で大きな役割を果たす。謝罪とは、責任を受け入れることなのだ。同僚との信頼関係を本当に修復したいのであれば、正しい「謝罪の技術」を身につけなければならない。
ハリエット・ラーナーが提唱する「謝罪の要素」や、ベス・ポリンの「5つのR」フレームワークなど、科学的根拠に基づいたアプローチを参考に、損なわれた信頼関係を修復し、より深い結びつきを築くための実践的なアプローチを紹介する。
1. 「でも」と言い訳しない
企業内の謝罪で最もよく見られる間違いは、見せかけの謝罪だ。たとえば、「そう感じさせてしまったなら申し訳ない。でも、当時はものすごいプレッシャーがかかっていたんだ」という言葉がこれに当たる。ハリエット・ラーナーがよく言うように、謝罪の末尾につく「でも(but)」は自尊心を守ろうとする試みにすぎず、その前に語られた誠意を事実上打ち消してしまう。信頼を取り戻すには、余計なもののない謝罪が必要だ。正当化も、責任転嫁も、「そう感じたなら」も不要である。謝罪は相手に差し出す贈り物であり、自分の自尊心を守る盾ではない。
2. 具体的に伝える:具体性が持つ力
「さっきはごめん」といった曖昧な謝罪は、不誠実な印象を与える。自分の行動をきちんと振り返っていないように受け取られてしまうからだ。そうではなく、問題となった具体的な行動を言葉にしよう。
例えば、このように言ってみるといい。「今朝のクライアントへの提案中、話を3回も遮ってしまって申し訳ありませんでした」。具体的に伝えることは、自分が状況に注意を払っていたことの証明になる。自分がどこで間違えたのかを正確に理解していると示すことができるのだ。ポリンのフレームワークにおいて、これは「責任(Responsibility)」に該当し、効果的な謝罪において最も重要な要素とされる。行為を具体的に特定することで、自分の責任を全面的に認めることになる。



