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mandritoiu / Shutterstock.com

米携帯電話T-Mobileは、携帯電話会社の2流プレーヤーというイメージの払拭に努力してきた。VerizonとAT&Tが業界上位2社の地位を気持ちよく享受する中、T-Mobileは、ほかの新興企業やより規模の小さい企業に対する自社の優位の証明に何年も費やした。だが現在、同社は第4位、いや第3位でも満足しないことを明らかにしている。今年初め、T-Mobileは業界の誰よりも市場シェアを早く伸ばし、VerizonとAT&Tよりもわずかに高い顧客保有率を誇った。

今週、T-Mobileは同社の「シンプルチョイス」プランのユーザーに対する無料のアップグレードサービス「T-Mobileビンジオン」の提供を発表し戦いを続けた。11月15日から、対象プランの契約者は、インターネット動画配信サービス会社のNetflixやHulu、HBOなどの動画見放題サービスをデータ使用量に関係なく楽しめる。ビンジオンは大きな注目を集めるとみられるが、これは上位2社への挑戦を目的とする3部からなる戦略の1つに過ぎない。

受信地域のユーザー認識変える
歴史的にT-Mobileは、安価だがそれなりのサービスというイメージに苦しんだ。受信地域にかなりのギャップがあり電話が途切れてしまうことが潜在的な新規顧客の大きな懸念だった。しかし最近、T-Mobileは受信地域の改善だけでなく、その通信網の幅もセールスポイントにすることに注力している。同社は昨年、第4世代(4G)LTEの受信可能エリアを倍増し、顧客がWi-Fi接続があればどこででも通話やメールができるWi-Fiコーリングと呼ばれるサービスを導入した。T-Mobileはまた通信網の範囲に不満な顧客に携帯端末とサービス両方の費用を払い戻す生涯受信範囲保証というサービスも導入した。

貴重な顧客層狙う
業界上位2社と変わらない受信範囲だけでは説得力のある戦略とは言えない。最高のものを得ることに既に慣れている消費者がなぜわざわざまぁまぁの物を買わなくてはならないのか?そこでT-Mobileビンジオンの出番だ。T-Mobileは既に儲けの多い出張者など頻繁に旅行する人々には乗り換えに納得できる理由を示している。シンプルチョイスプランの一環として、契約者は140カ国でデータとメールがし放題になる。結局のところこういったユーザー層が占める割合は比較的小さいのだが。T-Mobileはビンジオンでより広いユーザー層へのアピールを目指す。特にビンジオンはテレビをインターネットで視聴するのでケーブルテレビの契約を解除した人々にアピールするだろう。こういった人々には比較的若く、生活の基盤構築や購買パターン確立の途上にあり、徐々に収入を増やしている都会の若者が多い。T-Mobileがこういった層を忠実な顧客にできれば、今後貴重な顧客の小集団が手に入る。

乗り換えコストなし
最初の2段階は顧客にT-Mobileを試す理由を示すことが焦点だが、3つ目は乗り換えを簡単にすることが焦点だ。そしてこの基礎は既にできている。T-Mobileは上位2社よりも料金が安いことでその名を知られているが、実際の毎月の料金だけが顧客の検討事項ではない。3つ目でT-Mobileは旧端末支払いプランの残高を完済し、ユーザーの早期契約違約金を払って既存契約を買い取り(新たに長期契約の締結なしに)、T-Mobileの顧客である限り固定料金を保証する。

これは今後の競争で強力な武器となり得るが、T-Mobileは少なくとも顧客の乗り換えのハードルを下げる相当の措置を講じている。同社は明らかに新たな戦略でホームランを狙っている。国際的にデータやメールが利用でき、既存契約の買い取りと無料動画配信サービスはどれも大きな費用がかかるはずだ。そして同社は既にこれらのコスト削減に向けての措置も講じている。

例えば、端末支払いプランを買い取った際のスマートフォンを再販し、その際に新しい端末を購入する顧客からの収入が余分に入る。また動画配信関連のコストも削減しており、顧客がサービスをT-Mobileのネットワーク外に押し出すWi-Fiコーリングを利用すればさらに節減できる。そしてこの戦略が市場シェアに大きな影響を及ぼせば、このアプローチは立派に利益を生むかもしれない。巷では既に、タイム・ワーナーとの合併が頓挫した米ケーブルテレビ大手ComcastがT-Mobileの買収を試みるのではないかとの噂が飛び交っている。Comcastはケーブルテレビ解約者の増加に伴う収益減を補おうとする中、T-Mobileはその戦略で魅力的な買収の標的になっている。市場で戦う3社はライバル勢と異なる形でゲームを進める必要がある。T-Mobileはこれまで、伝統的な資産の乏しい企業が、この複雑な戦いにおいて新境地を開けるかどうかを繰り返し示している。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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