8月も半ばに差しかかり、夏の大半をGemini 3.5 Proの登場を待って過ごしてきた人たちの間に、いらだちが広がっている。
これを「2026年で最も待たされたモデル」と呼ぶ声もある。というのも、当初発表されていたリリース時期は、夏の初めにずっと近い時点だったからだ。関連する他のモデルはすでに公開されているようだが、Gemini 3.5 Proだけは表に出てこない。さらに、開発中止の噂まで流れている。Geeky Gadgetなどの媒体と、Andrew.oooのような別のメディアでは、グーグルのGeminiページが3.5 Proを「近日公開」と表示しているかどうかについて、説明が食い違っている。
その後者のメディアが7月下旬に伝えた、何が起きているのかについての見立てを引用しよう。
「グーグルは、コーディング性能と信頼性の面でさらに時間が必要だとしています。加えて、上級研究者の離職も相次いでいます。グーグルはProを急いで出すのではなく、主力モデルである3.6 Flashを投入しました。3.6 Flashは、コーディング、知識、マルチモーダルの各面が改善されたうえにコストも低く、出力トークン数は3.5 Flashに比べて最大65%消費トークンを削減されていると説明されています」(訳注:8月14日の時点では既に3.7 Flashが順次公開中)。
視野を広げて、この遅延の背景にある重要な文脈を見ていこう。動きが速く競争の激しいLLM(大規模言語モデル)開発競争のただ中で、この巨大企業に次に何が待っているのかを考えるためである。
パートナー企業とのテスト
グーグル社内の一部の報告では、同社の担当者がGemini 3.5 Proは「パートナー企業とテスト中」だと述べているのを見て取ることができる。
これは、AnthropicのProject GlasswingやOpenAIで起きてきたことによく似ている。強力すぎるモデルは、そのまま野に放つわけにはいかないという理由で、一般公開の前にいったん囲い込まれるのだ。
グーグルも、もっともらしい説明を組み立てることはできるはずだ。市場の空気を考えれば、そしてエージェント型のモデルが予測のつかない振る舞いをしがちであることを考えれば、経営陣は原則にのっとってGeminiに余分な時間をかけているのだ、と。ところが私が見てきた限り、そうした説明はいっさい示されていない。
Geminiアプリの開発
Gemini 3.5 Proが遅れているもう一つの理由として考えられるのは、エンジニアがその代わりにGeminiアプリの新機能を出すことに手を取られている、という見方だ。
「昨日、グーグルのジョシュ・ウッドワードが、Geminiアプリの利用者にどんな改善を望むかを尋ねた」と、9to5Googleのアブナー・リーが7月9日に報じている。「同社のGemini責任者は今日、要望の多かった上位10項目と、それぞれについてのグーグルの進捗状況を明らかにした」



