AI

2026.08.14 16:00

開発中止の噂まで、「Gemini 3.5 Pro」のリリース遅延は続く

Rafael Henrique - stock.adobe.com

そこで挙がっていたのは、Google Workspace連携の信頼性向上、ディープリサーチの改善、Nano Bananaの透かし(ウォーターマーク)の削除、モバイルアプリのスクロール不具合の修正などである。つまり、グーグルのエンジニアはただ単に手一杯だった、ということなのかもしれない。

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AIコーダーの登場

さらにもう一つのひねりがある。この開発が理由のはっきりしない遅延に見舞われている一方で、グーグルのエンジニアたちは、コーディング作業をAIがますます肩代わりしていると報告し続けている。そのため社内では、人間がコードを書くべきだと譲らない信奉者と、AIエージェントに任せて構わないという人たちとの間で議論が起きている。

この議論がGemini 3.5 Proの遅延と関係している可能性はあるだろうか。

もし押し問答が開発日程に響いているのであれば、その可能性はある。

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頭脳流出、株価低迷といった症状

モデルを期限どおりに出せない体質と関わりがあるかもしれない不穏な兆候を、市場がグーグルに見て取っている、と論じる報道もある。たとえばWiredは、ジェフ・ディーンをはじめとする著名な人材が腰を上げ、OpenAIやAnthropicといった直接の競合先へ移っていると伝えている。

同時に、アルファベット株に目を向ければ、1月からおよそ12%下落している。もっとも、この5年間で同社に積み上がった価値は大きい。

グーグルが抱えるこうした問題は互いにつながっている、と推し量るのは、おそらく無理のないことだろう。

しかし、同社がこのモデルで期限を守れなかったのはこれで3度目だ。そこから、グーグルは事実上ゼロからやり直しているのだ、と結論づける向きも出てきている。

「事前学習は、フロンティアAIモデルを構築する最初の、そして最も費用のかかる段階です」と、Tech Timesのエロイーズ・ジョーンズは書いている。「膨大なデータセットを使って走らせるこの工程が、モデルの基礎的な能力の上限を決めます。ファインチューニング(追加学習による微調整)や、人間のフィードバックによる強化学習(RLHF)でできるのは、その上限の内側で性能を磨くことだけで、上限そのものを引き上げることはできません。グーグルが、調整を続けるのではなく事前学習をやり直す道を選んだと報じられたとき、それは元のモデルの能力の上限が本来あるべき位置になかったと認めたに等しいのです。仕上げの問題ではなく、構造の問題だということです」

結局のところ、モデルのリリースをこれほど遅らせてしまえば、信頼は生まれない。競争が強まり、市場が目まぐるしく動いていくなかで、グーグルにとってすべてがうまく運ぶことを願いたい。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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