元請け企業へのサプライヤーの依存度はもっと高い場合もある。エアー・インダストリーズ・グループは売上高の34%をロッキードから、28%強をRTXから得ており、これら2社だけで63%前後に達する。マーキュリー・システムズの場合、ロッキード、RTX、ノースロップ・グラマンの3社を合わせると、売上高のおよそ40%を占める。
ある顧客に売上高の3分の1を依存しているような企業は、新たな生産設備の建設に充てる資金を確保するのに必要な長期的な発注を、その顧客に要求できるほどの交渉力はないに等しい。顧客側にしても、長期的な発注を約束する理由は乏しい。そのサプライヤーとの取引関係は費用ベースでは微々たるものだからだ。
実行できるかがすべて
最後に、もう一点指摘しておきたい。元請け大手の受注残のすべてが、手元に入るお金として確保されているわけではない。たとえばノースロップは、1047億ドル(約16兆7000億円)にのぼる受注残のうち、実際に予算がついているのは459億ドル(約7兆3200億円)にとどまると明らかにしている。残りは、米議会がまだ予算を割り当てていない将来の売上高だ。
プライム5社のうち4社について、アナリストは投資判断を「買い」としている。RTXの株価は過去1年で44%あまり上昇している。
以前に書いたことを繰り返せば、戦争は悲劇だ。しかし、投資家はありのままの世界を相手にしなくてはならない。そしていま、現実の世界がどうなっているかと言えば、弾薬の枯渇に直面している一方、現代史上で最大規模の国防費が計上されている。
もっとも、向こう5年の「勝者」は、最も巨額の契約を獲得した企業ではないと筆者は考えている。注文されたものを実際に製造できた企業こそ、勝利を手にすることになるだろう。


