リーダーシップ

2026.08.14 09:32

少人数の管理職が大規模チームを率いる時代 「スーパーマネージャー」に必要な条件とは

Adobe Stock

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組織のフラット化が進み、少人数の管理職がより多くの部下を率いる時代が到来した。この変化を乗り切り、AIを駆使して自らとチームの成果を最大化する新たなリーダー「スーパーマネージャー」として活躍するための条件とは。

「グレート・フラットニング(組織のフラット化)」は、より少ない管理職が、より多くの部下を率いることを意味する。新たな「スーパーマネージャー」として活躍するための方法を紹介する。

企業の管理階層が削減される「グレート・フラットニング」の時代が到来した。その結果、多くの管理職が、これまでよりもはるかに大きなチームを率いる立場に置かれている。

こうした管理職こそが、新たな「スーパーマネージャー」だ。彼らは単に、以前よりも多くの直属の部下を持つリーダーというだけではない。「自身やチームを燃え尽きさせることなく、自らの影響力を拡大できるリーダーのことだ」と、チームおよびリーダーシップ開発プラットフォーム「ライジング・チーム(Rising Team)」の創業者兼CEOであるジェニファー・ダルスキーは説明する。

今日のスーパーマネージャーの台頭を可能にしているのがAIだ。慎重に活用すれば、時間のかかる事務作業をAIがサポートしてくれる。「AIは、あらゆる管理職をスーパーマネージャーに変えることができる」とダルスキーは言う。

もちろん、どのような支援ツールがあっても、より多くの人を管理することはより多くの仕事を意味する。だからこそ、長期的な人材定着とパフォーマンス維持のために、スーパーマネジメントへの移行は戦略的に進められなければならない。

筆者は先日、ダルスキーと連絡を取り、スーパーマネージャーの台頭と、この新しい組織構造が管理職、従業員、そして企業に何をもたらすかについて意見を交わした。その主な内容を以下に紹介する。

スーパーマネージャーの条件

多くのスーパーマネージャーは、少し前までは限られた数の部下を持つ中間管理職だった。企業が組織再編を行い、多くの中間管理職のポジションを廃止したため、残留した管理職に、より多くの直属の部下が割り当てられるようになった。

これにより、特有のトレーニングへのニーズが生まれている。新たなスーパーマネージャーたちは、人員削減を生き残ったことからも分かるように、もともと優秀な管理職だった。しかし今、彼らははるかに大規模なチームをカバーするためにリーダーシップスキルを拡張しなければならず、その任務に圧倒されそうになることもある。

「数人の部下を率いるだけであれば、本能や人間関係に大きく頼ることができる」とダルスキーは言う。「しかし、部下が15〜20人になると、仕組みが必要になる。また、一人ひとりの個別のニーズを十分に理解し、それを規模の大きいチーム全体で実際に反映させなければならない」

ダルスキーは、有能なスーパーマネージャーを特徴づける重要な差別化要因は2つあると考えている。「第1に、彼らはチームメンバーそれぞれの独自の才能や好みを理解しており、AIを活用してそれらの知見を記憶し、大規模なチームでも一人ひとりに合わせて対応している」と彼女は言う。「これにより、リーダーは自らの仕事を増やすことなく、チームメンバー全員の力を最大限に引き出すことができる」

第2の差別化要因は、AIコーチやAIエージェントの活用方法だ。「これらのツールを活用することで、戦略立案やチーム育成といったコア業務の時間を奪う手作業の多くを自動化できる」とダルスキーは語る。「1対1の面談のアジェンダ作成、進捗状況の更新、さらには人事評価といった業務も、現在はAIの支援を受けられるため、管理職がより大きなチームを効果的に管理するのに役立つ」

スーパーなスキル

スーパーマネージャーには、AIに関するものだけでなく、「スーパーな(並外れた)」スキルが求められる。ヒューマンスキルやパワースキル、あるいは筆者の言葉で言えば「プロフェッショナルスキル」とも呼ばれるソフトスキルは、こうしたリーダーが成功するために極めて重要だ。

「私がこれまで見てきた中で最も優れたリーダーたちには、共通する決定的な資質がある。それは、物事を『明確に示すこと(Clarity)』と『思いやりを持つこと(Compassion)』の両方を同時に高いレベルで実践できる点だ」とダルスキーは言う。「大半の人はどちらか一方に偏ってしまい、それが問題を引き起こす。思いやりのない明確さは、冷淡でやる気を削ぐように感じられる。明確さのない思いやりは、チームの方向性を見失わせる。スーパーマネージャーはこれらを効果的に組み合わせることができ、AIの登場によって、重要な場面に臨む前にそのバランスを練習することが容易になっている」

ダルスキーが譲れないスキルとして挙げる他の3つの要素は、共感、委譲(デリゲーション)、そして協調(コラボレーション)だ。「20人もの部下に責任を持つ立場になれば、自分がボトルネックになったり、チームが必要としていることについて憶測だけで行動したりする余裕はない」と彼女は語る。

「他者の立場に立って考え、自信を持って仕事を配分し、自分がすべてのミーティングに出席しなくてもメンバーが主体的に業務を実行できる環境を整えるスキルが必要になる」

不可欠なAI

今日見られるようなスーパーマネジメントは、AIなしには実現し得ない。だからこそ、真にスーパーマネージャーへと進化している管理職は、AIをたまに使うツールとしてではなく、日々のワークフローの一部に組み込んでいるのだとダルスキーは指摘する。「いまだに導入をためらっている人々は、AIの可能性を過小評価しているか、あるいはその効果を実感できるだけの適切なサポートをまだ受けていないかのどちらかだ」

AIの支援がなければ、スーパーマネージャーはすぐに限界を迎えることになる。「人間の力だけで大規模なチームを管理しようとする人は、自身が燃え尽き症候群に陥るリスクを抱えるだけでなく、チームのエンゲージメントやパフォーマンスを著しく低下させる危険性がある」とダルスキーは警鐘を鳴らす。

ダルスキーによると、現時点におけるスーパーマネージャーにとってのAIの最大の強みは、管理業務に伴う事務作業や準備作業を効率化し、リーダーが業務の「人間的な部分」により多くのエネルギーを注げるようにすることだという。

「私はこのように考えている。AIは練習のパートナーであり、下書きの作成ツールであり、管理職が重要な知見を記憶してチームから最高の成果を引き出すのを助ける、24時間365日稼働の完璧な記憶装置だ」と彼女は言う。「それでも、管理職自身がコーチであり、障害を取り除く存在であり、意思決定者であり、チームの話に耳を傾けサポートするために必要とされる人間であることに変わりはない」

スーパーマネージャーが「スーパーチーム」を築くための支援

組織のフラット化を計画している企業は、新たなスーパーマネージャーを効果的にサポートするための計画を策定する必要がある。

「第1に、管理職に対して、試行錯誤の余地を残しながら、学習し実験するための許可と時間を与えることだ」とダルスキーは言う。「ミーティングを開催したり、メッセージングチャンネルを開設したりして、各自が生産性向上のためにどのようにAIを活用しているかを共有し合うとよい。何がうまくいき、何がうまくいかなかったのか、そして何が新しいアイデアに火をつけたのか。そうした共有の文化が、全員の成長を加速させる」

また、スーパーマネージャーは、真に個別の状況に合わせたサポートを必要とする。「パーソナルフィットネストレーナーが、クライアント一人ひとりの現在の状態や目標に合わせてメニューをカスタマイズするように、今やAIは、各管理職、チーム、そして企業を熟知した『パーソナルトレーナー』として、リーダーシップという『筋肉』を鍛える手助けをしてくれる」とダルスキーは強調する。

「第3に、人々がすでに使用しているツールにAIを統合することだ。スーパーマネージャー向けのツールは、Slack、Teams、カレンダーなどの既存のプラットフォームと連携する必要がある。これにより、管理職は一貫した習慣を身につけ、真の成果を上げることができる」

最後に、この計画は将来のリーダーの育成も考慮したものであるべきだ。「リーダーシップへの道を歩んでいる優秀な個人コントリビューター(非管理職の専門職)は誰か。彼らがスーパーマネージャーになるためには何が必要か」とダルスキーは問いかける。「こうした習慣を早期に構築している企業は、大きな優位に立つことになる」

スーパーマネージャーの成功に向けて

スーパーマネジメントはポジティブなトレンドなのだろうか、それとも燃え尽き症候群を引き起こす原因なのだろうか。ダルスキーはこの新しいリーダーシップの時代について楽観的な見方を示しつつも、適切なサポートを整えることなく、経営陣がこれらのリーダーに過度な負担を強いることに対して警告を発している。

「サポートなしに管理職に大きなチームを任せる企業は、チームのパフォーマンス低下や離職率の上昇という形で、そのツケを払うことになる」と彼女は指摘する。「また、実務において優秀な貢献者であったために、本質的なリーダーシップトレーニングを受けることなく管理職に昇進した人々に対しては、さらに手厚い支援を提供する必要がある」

スーパーマネージャーが活躍するためには、企業がその成長プロセスを意図的にサポートしなければならない。AIはその強力な支援要素になるが、人間的な関わり(ヒューマンタッチ)に取って代わることは決してできない。AIはスーパーマネージャーではない。人間のリーダーこそがスーパーマネージャーなのだ。

「信頼関係の構築、場の空気を読むこと、状況判断、戦略の策定など、人間にしかできない仕事がある」とダルスキーは言う。「スーパーマネージャーの時代に活躍できるリーダーとは、その違いを理解している人たちだ。彼らは下書きの作成などをAIに任せ、自身は人間味を提供する」

「リーダーは信頼関係の構築をアウトソーシングすることはできないし、そうすべきではない」

forbes.com 原文

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