7位 イラン(日量410万バレル)
イランの石油産業ほど、政治の影響を強く受けてきた産業は他にないだろう。同国は世界4位の石油埋蔵量と世界2位の天然ガス埋蔵量を誇るが、制裁や紛争、限られた外国投資によって、生産量は潜在能力を大きく下回っている。
イランは1970年代の最盛期には日量600万バレル以上の石油を生産していた。しかし現在、同国の石油貿易は中国に大きく依存しており、制裁を回避するために構築された影の船団や仲介業者を介した複雑な取引に支えられている。
だが、イランは投資家にとって重要な存在であり続けている。たとえわずかな供給の中断であっても、同国が面するホルムズ海峡の緊張は世界の原油価格に大きな影響を与えるからだ。同海峡は世界で最も重要なエネルギー輸送の要衝だ。
6位 中国(日量430万バレル)
中国は世界最大の石油輸入国として知られているが、重要な生産国でもある。中国政府は長年にわたり、エネルギー安全保障の観点から、国営石油企業に生産の拡大を促してきた。同国の石油生産量は2020年の日量約380万バレルから、25年には過去最高の同430万バレルへと増加した。
国営石油大手の中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)は国内最大の生産者であり、中国海洋石油集団(CNOOC)は特に海底油田で目覚ましい成長を遂げている。新たな油田の発見や投資の拡大も、同国の石油埋蔵量の増加に寄与している。
他方で、中国は25年、日量約1155万バレルの石油を輸入した。油田の老朽化や非在来型資源の開発費の高騰により、国内の石油生産は経済的な限界に近づいている可能性がある。中国が輸入に依存し続けていることは、世界の石油需要の大きな支えとなっている。
5位 イラク(日量440万バレル)
イラクの石油確認埋蔵量は約1450億バレルで、世界5位の規模を誇る。同国の油田は規模が大きく、操業費用も比較的安い。理論上では、イラクは現状よりはるかに多くの石油を生産できるはずだ。
問題は、生産した石油を確実に市場に送り出すことにある。イラクの石油輸出の約93%は、ペルシャ湾に面する同国南東部バスラ近郊にあるターミナルから出荷される。ホルムズ海峡が封鎖された際には石油貯蔵施設が満杯になり、同国は生産停止を余儀なくされた。
イラクは地質学的には極めて大きな可能性を秘めているが、こうした輸出環境の脆弱(ぜいじゃく)性や設備上の障害、政治的な不安定性が大きな足かせとなっている。
4位 カナダ(日量500万バレル)
カナダは米国と並び、北米大陸に位置する産油国だ。地政学的リスクが高まっている現代では、この地理的位置は大きな強みとなる。
カナダ産石油の大部分は、西部アルバータ州のオイルサンドから生産される。同州では粘度の高い超重質油が地表から採取されるか、蒸気を用いて地下から回収される。オイルサンド開発には多額の費用がかかるが、生産量の減少率が比較的小さく、数十年にわたって操業を続けることができる。この点は、生産を維持するために継続的な掘削が必要となるシェールオイルとは大きく異なる。
カナダの石油生産量は25年に過去最大を記録した。同国の測定基準に基づく石油生産量は日量平均535万バレルに達した。うち84%近くをアルバータ州が占めた。


