石油はもはや時代遅れだという声もあるが、米エネルギー情報局(EIA)によると、世界では依然として日量1億バレル以上の石油が消費されている。石油は飛行機や自動車、船舶の動力源であり、プラスチックや化学製品、肥料、医薬品のほか、多くの人が石油と結び付けることのないようなあらゆる日用品の製造にも使われている。
石油輸出国機構(OPEC)は、世界の石油需要が2030年までに日量1億1330万バレル、50年までに同1億2410万バレルに達すると予測しており、特に発展途上国で需要が拡大するとみられている。石油は今後も世界経済の要であり続けるだろう。
以下はEIAの最新の報告書に基づく、石油生産量で世界の上位を占める10カ国だ。
10位 クウェート(日量260万バレル)
クウェートは生産量では上位10カ国のうち最下位にあるかもしれないが、埋蔵量で測れば石油大国と言えるだろう。同国には推定1015億バレルの石油が埋蔵しており、これは現在の生産量を約1世紀にわたって維持できる量に相当する。しかも、その埋蔵資源は世界で最も採掘費用が安い部類に入る。
だが、同国の石油生産量はかつての日量約300万バレルの水準を下回っている。石油産業はクウェート石油公社を通じて完全に国営化されており、石油は同国の歳入と輸出の約9割を占めている。
クウェートは、埋蔵量だけでは全体像を把握できないことを示す好例だ。膨大な資源を有することと、それを効率的に収益化することはまったく別問題なのだ。
9位 ブラジル(日量380万バレル)
ブラジルは世界で最も注目を集める海底油田開発国の1つだ。大西洋ブラジル沖の深海にある厚い岩塩層の下に眠るプレソルト層の大型油田群は、開発に高度な技術と莫大な資本を要するが、その投資は実を結びつつあるようだ。ブラジルの国営石油企業ペトロブラスは6月、ブジオス油田の生産量が過去最高の日量110万バレルに達したと報告した。同油田はペトロブラスの国内の生産量の約3分の1を占めている。
ブラジルは現在、主要な原油輸出国となっているが、一部の精製燃料は引き続き輸入している。同国は投資家にとって生産性の高い油井と拡大を続ける資源基盤を有している。
8位 アラブ首長国連邦(日量380万バレル)
アラブ首長国連邦(UAE)の25年の石油生産量はブラジルと並ぶ日量約380万バレルだったが、26年に入ってからは特に積極的な姿勢を見せている。同国は5月にOPECから脱退し、翌月には生産量を過去最高の日量410万バレルに引き上げた。この動きは、OPECの生産割当量に縛られることなく、自国の国益に基づいて生産を調整したいという政府の意向を反映している。
UAEは、中国、インド、日本を含む重要なアジア市場に石油を供給している。同国はパイプラインや港、貯蔵施設、製油所にも多額の投資を行ってきた。ホルムズ海峡の封鎖のような大規模な供給途絶が発生した場合、こうした柔軟性は石油そのものに匹敵する大きな価値を持つ。



