Anthropic(アンソロピック)の経営陣は、10月と見込まれる上場(IPO)で同社の企業価値がいくらになるべきか、具体的な数字を挙げていない。だが、株主たちは示している──2兆ドル超(約319兆円)だ。フィナンシャル・タイムズ(FT)は米国時間8月13日、同社の投資家たちが、スペースXの記録を塗り替える史上最大の新規株式公開(IPO)を見込んでいると報じた。少なくとも1人の出資者は、計算上3兆ドル(約477兆)が妥当だと主張している。
Anthropicは2026年6月、米証券取引委員会(SEC)へ非公開方式で上場申請書類を提出済みだ。今回の報道で変わったのは、株主が口に出して語る金額の大きさである。
その数字が妥当かどうかをめぐる論争は、価格決定日まで続くだろう。だが議論が過熱すればするほど、その重みは薄れていく。実際に10月に何が起こるかを変えることはできないからだ。過去3年間、AI取引の中心には公開価格が存在しなかった。あらゆるフロンティア研究所は、少数の投資家グループによる非公開ラウンドで、年に数回だけ評価されてきた。10月からは、市場がそのうちの1社に毎日投票を始める。
年換算売上が急伸、2026年5月に年換算7兆4730億円に到達
期待の土台にあるのは、エンタープライズソフトウェアの歴史に前例がない売上曲線だ。Anthropicの年換算売上は2024年末に約10億ドル(約1590億円)、2025年末には約90億ドル(約1兆4310億円)だった。そこから曲線は垂直に立ち上がった。
・2026年2月:140億ドル(約2兆2260億円)
・3月:190億ドル(約3兆210億円)
・4月:300億ドル(約4兆7700億円)
・5月:470億ドル(約7兆4730億円)
投資家たちはFTに対し、年換算売上が12月までに1000億ドルから1200億ドル(約15兆9000億~約19兆1000億円)に達すると予想していると語った。非公開市場はすでにこの曲線に対して1度票を投じている。5月下旬の650億ドル(約10兆3350億円)調達ラウンドでは、同社は9650億ドル(約153兆4350億円)と評価された。アルティメーターのブラッド・ガースナーは、この成長をテクノロジー史上最速と評している。
上記のすべての数字について、1つ明確にしておく必要がある。年換算売上ペース(run rate)とは、直近1カ月の販売ペースを12倍して1年分に引き延ばした推計値だ。勢いを示す指標であって、実際に手にした金額ではない。Anthropicが年間470億ドル(約7兆4900億円)を計上したわけではない。5月にそのペースで売っていたということだ。



